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これは読まれるべきと文学に関するtaka_zyawaのブックマーク (2)

  • 祖父の長い旅 - 未来の蛮族

    土曜の夜は、祖父母の家で夕を過ごすことになっていた。 波の上という街に住む祖父母の家には、泊大橋という橋をこえていかなければならない。橋から見下ろす港にはたくさんの貨物船が止まっていて、なぜかそれらの甲板には決まって大きな犬がいた。 どうすれば船のうえで犬を飼うことができるのだろう? 子供ながらにそう思っていたし、それは今でも解くことのできない疑問だ。もしかすると、あれは夢でみた風景だったのかもしれない。 祖母がくれるお菓子はいつも亀田製菓の「雪の宿」だったこと、テレビにはクイズダービーが映しだされていたこと、祖父母と同居するS叔父が僕たち兄弟に折り紙を教えてくれたこと、幼い時分の記憶はどれも断片的で、はっきりせず、たよりない。 なかでも祖父の記憶はおぼろげだ。 僕がかろうじて覚えているのは、部屋の片隅で、しずかに泡盛を飲む祖父の姿だ。ほんとうに水のように酒を飲む人で、それで乱れるという

    祖父の長い旅 - 未来の蛮族
  • 祖父の長い長い旅 - 未来の蛮族

    それにしても、人類はなんと恐ろしいものを思いついてしまったのだろう。 その建物を前に、僕は人類の業の深さにおののいていた。 国会図書館。ここには、この国で発行されたほとんどの出版物が収まられているという。 インターネットは確かに偉大な技術だし、はじめて納豆をべた人間の勇気は永遠に称えられるべきだと思うけれど、人類史上最もヤバい思いつきをひとつだけあげるとするなら、やはりそれは「文字」にほかならないだろう。約五千年前に発明されたというこのテクノロジーは、はるか彼方の人間に声を届けることができるだけではなく、死者の声すら地上に留めおくことができるのだ。 時間と空間を超越し、生と死を弄ぶ。まさしく、神をも恐れぬ所業。人類の狂気の生み出した産物である。 僕は想像する。暗闇の中で、何百万もの生者と死者が、暗闇の中でじっと聴き手を待ちつづけている姿を。 何とも恐ろしい話だが、さりとて怖がってばかりも

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