ギリシャ問題について話した時に「このままでは日本の財政も危ない」というと「財政が危ないことを理由に円安になるのであれば、貿易黒字から、景気が良くなるので問題ない」と考えている人がいるようです。果たして「財政が危なくても、円安ならOK」は是認できるのでしょうか? まず、前回の「ギリシャ危機は対岸の火事か?」において、ギリシャのように通貨発行権のない国と日本のように通貨発行権を持っている国では「基本的なメカニズムが違う」というレスがあったのですが、その点は「PIIGS諸国と日本の財政について」に「結局は同じであり、危なさには変わりない」ということを解説しているので、そちらをご覧ください。 その上で「危ないとしても円安になれば、外需拡大になるのでOKでしょう」に対してお話しします。 確かに「円安」になれば、外貨建てで価格が変化せず、円安前と同量の輸出ができるのであれば円ベースの売上高が増加するの
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