長編映画からの引退を発表した宮崎駿監督(72)。日本が誇る名クリエイターの引退は、世界でも珍しい長編アニメスタジオ「スタジオジブリ」の今後にも大きな影響を与える。 略 これまでもジブリは若手の才能を試してきた。宮崎監督の長男、吾朗氏(46)も監督として2作を送り出し、「借りぐらしのアリエッティ」ではジブリ所属の米林宏昌監督(40)を抜てきした。外部からも「猫の恩返し」で森田宏幸監督(49)を起用。すべての作品でヒットとなったが、宮崎作品に期待される「興収100億円超え」には至っていない。 「ジブリの不運は、『耳をすませば』の近藤喜文氏が98年に急逝したこと。存命なら文句なしの宮崎監督の後継者だった。『ハウルの動く城』では細田守監督を起用したが途中降板。細田氏はこの挫折をバネに『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』で、ジブリではない日本のアニメ映画の旗手となった。ジブリに残っていれば…