「隊を辞めたり、自殺者が増えるんじゃないか」 ─そんな自衛官の声を聞いているのはジャーナリストの三宅勝久さんだ。20年ほど前から自衛隊を取材してきた。ある自衛官は、こんな話もしていたという。 「海外で武力行使をする覚悟がある隊員なんていない。(安保法制が成立したら)入隊希望者が減ると思うし、隊を辞めにくくなるんじゃないか」 三宅さんは1993年、日本にとって3度目になった国連平和維持活動、国連モザンビーク活動(ONUMOZ)の現場も取材していた。 「このとき自衛隊のキャンプを1か月間取材したが、当時はマスコミにもオープンで隊員と話せた」 モザンビークはポルトガルから独立後、反政府軍との内戦が続いたが、和平協定が成立。ONUMOZは停戦監視や武装解除の監視、選挙監視などを行った。 「装備も貧弱で、日本政府は無責任だと話していた隊員もいました」 ただし、"こうした活動に参加するかどうかは国民が