Elan Vital がフランス軍事学の根本だった。この考え方をまとめたのはフォシュでその著書『戦争の原則』で概略が述べられている。ただフォシュはこれをフランス陸軍大学(Ecole Superieure de la Guerre)で解説したが理解できる人間があまりにも少なく、また生徒のうち何人かはあまりの難解さに授業に出られなくなってしまったと言う。 Elan Vital は日本語に訳すのも困難である。「生死に係わる重要性をもつ鋭気」「攻撃精神」と直訳とは遠い表現になってしまう。この言葉は哲学者のベルグソンが与えたものである。ただ戦間期フランスに留学した日本の陸大卒業者は多いが、帰国後理解したうえで解説を加えた人間はいない。むしろ、内容はアメリカに伝わり海軍関係者が英語でより平易な説明を聞き、海軍大学で教えたことにより日本に伝わった。 ここでの説明もアメリカ人の理解による。 戦争と