タグ

2020年5月23日のブックマーク (12件)

  • 今週の本棚:渡辺保・評 『三木竹二 兄鷗外と明治の歌舞伎と』=木村妙子・著 | 毎日新聞

    (水声文庫・4400円) 劇評家の伝記を超えた文化史 森鷗外の弟で、近代劇評の基礎を築いた三木竹二の評伝である。名森篤次郎。筆名の「三木」は「森」の解体、「竹二」は「篤」のタケ冠を「竹」に「次男」の「二」である。 それまでの劇評は「評判記」といわれる形式で、いわば印象批評であり、「批評」ではなく「評判」であった。三木竹二の仕事の重要性は、その「評判」を「批評」にした点にある。具体的にいえば彼はまず戯曲の評をもとにし、その「型(演出)」を検証分析することに「批評」の客観的な論拠を求めた。つまり「科学」にした。しかし一方彼はその描写力によって「批評」を「文学」にしたのである。彼の残した「型の記録」は後世のために正確を期すると同時にそれを読めばたちまちそこに舞台が蘇(よみがえ)るような表現力を持っている。そこに竹二と彼以外の人の書いた「型の記録」の差がある。 このにはそういう竹二の仕事の価値

    今週の本棚:渡辺保・評 『三木竹二 兄鷗外と明治の歌舞伎と』=木村妙子・著 | 毎日新聞
    taketake89
    taketake89 2020/05/23
    ”それまでの劇評は「評判記」といわれる形式で、いわば印象批評であり、「批評」ではなく「評判」であった。三木竹二の仕事の重要性は、その「評判」を「批評」にした点にある”
  • 今週の本棚:加藤陽子・評 『五・一五事件』=小山俊樹・著 | 毎日新聞

    (中公新書・990円) 三つの問いへ 気鋭歴史家の新知見 歴史家は因果な商売だ。コロナ対策で政府がマスクを配ると聞けばインパールの文字が浮かび、現在と過去の脳内対話も始まる。一方、歴史は一回性を特徴とするとの理性の囁(ささや)きが聞こえ、結果として腹ふくれることとなる。 そこで今回は、評者の屈託とは無縁な新進気鋭の歴史家によって書かれ、多くの新知見と独創に富む好著を紹介したい。1932年5月15日、犬養毅首相は官邸で暗殺され、これを機に政党政治も終焉(しゅうえん)した。事件の全容を描いた第1章「日曜日の襲撃」は、一見楽々と書かれたように見える。だが、海軍将校・陸軍士官候補生・大学生・農村青年といった多様な参加者の当日の動線を、首相官邸・内大臣官邸・警視庁・変電所といった襲撃場所別に、当事者のみが知る史実を織り込みつつ正確に記すのは簡単なことではない。犬養を撃った三上卓の銃が旧式で一発ずつ装

    今週の本棚:加藤陽子・評 『五・一五事件』=小山俊樹・著 | 毎日新聞
    taketake89
    taketake89 2020/05/23
    ”挑んだのは、一見簡単そうだが実は解かれてこなかった疑問、なぜ海軍青年将校は事件を起こしたのか、なぜ政党政治は終わったのか、なぜ国民の多くは青年将校らに同情し減刑を要求したのか、の三つの問いだ”
  • 今週の本棚:岩間陽子・評 『「発達障害」とされる外国人の子どもたち』=金春喜・著 | 毎日新聞

    ◆金春喜・著(キンチュニ) (明石書店・2420円) 二人の男子が映す高校教育の硬直性 日で暮らす外国人児童は、年々増加し続けている。受け入れ態勢が十分でないことは、従来から指摘されてきたが、書がユニークなのは、困難を抱える外国人児童が、「発達障害」の診断を受けて、特別支援教育に取り込まれるという事態が起きていることを指摘したことである。 実は私の子どもも小学校低学年の頃、とある外国の学校で「アスペルガーではないか」と言われたことがある。言葉の通じない異文化の環境に放り込まれて、適応障害を起こしてしまった。ボタンの掛け違いが重なり、学校で暴れたり、逃走して警察に保護されたりするような状況になった時、教頭の口から出た言葉が、「発達障害」だった。最終的にうちの場合は、「アスペルガーではない」という結論が出たが、当時感じたのは、メンタル…

    今週の本棚:岩間陽子・評 『「発達障害」とされる外国人の子どもたち』=金春喜・著 | 毎日新聞
    taketake89
    taketake89 2020/05/23
    ”本書がユニークなのは、困難を抱える外国人児童が、「発達障害」の診断を受けて、特別支援教育に取り込まれるという事態が起きていることを指摘したことである”
  • 今週の本棚:山崎正和・評 『レイシズム』=ルース・ベネディクト著、阿部大樹・訳 | 毎日新聞

    (講談社学術文庫・1012円) 意識的な差別を拒絶した後に 左利きのための鋏(はさみ)が発売されたのは、二十世紀も半ばのことであった。私の幼年期、親も学校も左利きの子を右利きに矯正する教育に励んでいた。私は眺めていただけだが、今の基準ではあれは無意識の差別だった。 1940年、世界はきわめて意識的な差別感情に襲われ、差別をめぐる大戦の渦中に脅(おび)えていた。新しい差別の口実は「人種(レイス)」と呼ばれ、十九世紀末に遡(さかのぼ)る似非(えせ)科学を根拠としていた。従来の宗教的異端、階層差や言語、風俗にもとづく差別とは異なり、人種は肌の色や頭蓋骨(ずがいこつ)の形態など遺伝形質に注目する点で、差別はかつてなく宿命的な重みを増すことになった。著者はこの時期に書の筆を執り、人種差別の無根拠を暴き、欺瞞(ぎまん)に反対する史上最初の人となった。 当然、筆法は論争的となり、ナチスの掲げる「アーリ

    今週の本棚:山崎正和・評 『レイシズム』=ルース・ベネディクト著、阿部大樹・訳 | 毎日新聞
    taketake89
    taketake89 2020/05/23
    ”私の幼年期、親も学校も左利きの子を右利きに矯正する教育に励んでいた。私は眺めていただけだが、今の基準ではあれは無意識の差別だった”
  • 今週の本棚:松原隆一郎・評 『食の歴史』=ジャック・アタリ・著、林昌宏・訳 | 毎日新聞

    (プレジデント社・2970円) 米仏二極化する胃袋の未来 音楽・医学から時間・愛・死・地政学・テクノロジー、そして海まで。数え切れないテーマと膨大としか言いようのない知識で人間社会の未来を占ってきた碩学(せきがく)が、「」を軸に過去を振り返り、進むべき道を訴える野心作。いわば胃袋が語る人類の通史である。 「この密接な、宇宙的規模とさえ言える人間ととの関係は、実は猿人からホモ・サピエンスが漸進的に出現したときから始まった。この関係は、言語の使用から火の利用まで、人類のおもな急激な変化の源泉になった。……人間ととのこうした関係からは、都市、帝国、国家の権力掌握の過程も広く説明できる。歴史と地政学は、何と言っても歴史なのだ」

    今週の本棚:松原隆一郎・評 『食の歴史』=ジャック・アタリ・著、林昌宏・訳 | 毎日新聞
    taketake89
    taketake89 2020/05/23
    ”数え切れないテーマと膨大としか言いようのない知識で人間社会の未来を占ってきた碩学(せきがく)が、「食」を軸に過去を振り返り、進むべき道を訴える野心作。いわば胃袋が語る人類の通史である”
  • 土記:専門家会議と政治の関係=青野由利 | 毎日新聞

    <do-ki> 今週、「コロナ専門家有志の会」のホームページに、新型コロナウイルス対策の「組織関係図」が控えめにアップされた。地味だが、なかなか役に立つ。 コロナ対策にかかわる組織は、政府の対策部や諮問委員会、厚生労働省、専門家会議、クラスター対策班などいろいろあって混乱しがち。その関係を整理したもので、それぞれがまとめた方針や見解、根拠法などの掲載ページにも飛べる。省庁縦割りで見えにくい全体像がわかる仕組みだ。 その中にあって、もうひとつわかりにくいのが「専門家会議」の位置づけだ。対策部を所管する内閣官房と、クラスター班を抱える厚労省の間に挟まれ、中ぶらりんにも見える。これが独立性の証しならいいが、実は専門家会議の位置づけは当初から不安定だった。

    土記:専門家会議と政治の関係=青野由利 | 毎日新聞
    taketake89
    taketake89 2020/05/23
    ”今週、「コロナ専門家有志の会」のホームページに、新型コロナウイルス対策の「組織関係図」が控えめにアップされた。地味だが、なかなか役に立つ”
  • 追跡:家で臨場感、ハイテク観戦 コロナで窮地、スポーツ界期待 | 毎日新聞

    新型コロナウイルスの感染拡大で、興行に支えられるプロスポーツは窮地に立たされている。収入の柱である放映権料や入場料収入などが見込めないためだ。野球やサッカー、バスケットボールなどのリーグ戦は再始動後、「無観客試合」などの措置が必要となる公算が大きい。関係者が期待するのがVR(仮想現実)などの先進技術を駆使した観戦スタイルだ。いつでも、どこでも楽しめる臨場感のある映像が強みだが、普及には課題も多い。【浅博之、黒川優、角田直哉】 「先進技術による映像の需要は高まっており、無観客試合にも生かせる。VRは放映権の付加価値を高めて新たなビジネスとなる」。男子プロバスケットボールのBリーグの担当者が期待を込めて語る。

    追跡:家で臨場感、ハイテク観戦 コロナで窮地、スポーツ界期待 | 毎日新聞
    taketake89
    taketake89 2020/05/23
    ”関係者が期待するのがVR(仮想現実)などの先進技術を駆使した観戦スタイルだ。いつでも、どこでも楽しめる臨場感のある映像が強みだが、普及には課題も多い”
  • 新型コロナ 日銀、資金繰り支援75兆円 来年3月末まで 中小企業への融資促す | 毎日新聞

    実質無利子融資を申し込む個人事業主の男性(左)。日銀はこうした融資を後押しする=福岡市中央区で2020年5月7日、久野洋撮影 日銀は22日に開いた臨時の金融政策決定会合で、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた中小企業などに対する資金繰り支援の強化を決めた。政府の緊急経済対策として5月に始まった民間金融機関による無利子・無担保融資を後押しする制度を新設。社債やコマーシャルペーパー(CP)の買い入れ(購入枠約20兆円)などの既存措置と合わせた約75兆円の「新型コロナ対応資金繰り支援特別プログラム」として、2021年3月末まで実施する。 日銀の臨時会合は欧州債務危機への対応を協議した11年11月以来、8年半ぶり。6月中旬の定例会合を待たずに新制度を決定し、政府と足並みをそろえて迅速に危機対応に当たる必要があると判断した。

    新型コロナ 日銀、資金繰り支援75兆円 来年3月末まで 中小企業への融資促す | 毎日新聞
    taketake89
    taketake89 2020/05/23
    ”社債やコマーシャルペーパー(CP)の買い入れ(購入枠約20兆円)などの既存措置と合わせた約75兆円の「新型コロナ対応資金繰り支援特別プログラム」として、2021年3月末まで実施する”
  • 甲斐拓也 読書「生きよう今日も喜んで」 うまくいかない時の一冊 | 毎日新聞

    2018年のシーズン中、当時プロ野球ソフトバンクのヘッドコーチだった元捕手の達川光男さんから「これを読め」と手渡された一冊です。その頃、チームは負けが続いていました。落ち込みやすい性格の僕を気遣ってくれたのだと思います。 球団OBの故野村克也さんや工藤公康監督の著書など、野球に関するは多く読んでいましたが、他のジャンルはほとんど読んだことがありませんでした。このは京都大学長だった故平沢興氏の言葉を集めたもので、人としての生き方や仕事に取り組む姿勢が学べます。遠征の移動前に福岡空港で渡され、一気に読み終えました。 特に印象に残っているのは「仕事は祈り」の章です。「人生に望ましいのは失敗や困難がないということではなく、決してそれに敗(ま)けない、ということ」など、シンプルな言葉が自分に合っていました。読んでからは「負けが続いても、いつか自分にプラスに返ってくる」と前向きに試合に臨めるように

    甲斐拓也 読書「生きよう今日も喜んで」 うまくいかない時の一冊 | 毎日新聞
    taketake89
    taketake89 2020/05/23
    ”2018年のシーズン中、当時プロ野球ソフトバンクのヘッドコーチだった元捕手の達川光男さんから「これを読め」と手渡された一冊です。その頃、チームは負けが続いていました”
  • 新型コロナ 保健所職員、残業の山 過労死ライン超え相次ぐ 月198時間のケースも | 毎日新聞

    新型コロナウイルス感染症への対応に追われた東京23区の保健所のうち、少なくとも12の区で3、4月に、時間外労働(残業)が過労死の危険性の高まる月100時間を超える職員がいたことが各区への取材で分かった。最大で月198時間に上った職員もいた。都や区は応援職員を投入したが急激な業務の増加に追いつけなかった。 保健所は今回の事態に際し、発熱患者や医師らからの電話相談▽PCR検査や入院の調整▽クラスター(感染者集団)の調査▽回復した人のフォロー――など多様な業務を担当。東京都の感染者は全国の3分の1近くで5000人を超えたが、中でも23区に集中し、保健所は対応に追われた。

    新型コロナ 保健所職員、残業の山 過労死ライン超え相次ぐ 月198時間のケースも | 毎日新聞
    taketake89
    taketake89 2020/05/23
    ”最大で月198時間に上った職員もいた。都や区は応援職員を投入したが急激な業務の増加に追いつけなかった”
  • 首相「変節」に政権混乱 問われる整合性、自民幹部も不満 公務員定年見直し | 毎日新聞

    東京高検の黒川弘務検事長(63)が賭けマージャン問題で引責辞任した22日、安倍晋三首相は一般職国家公務員などの65歳までの定年引き上げを見直す可能性を示した。黒川氏の定年延長を「後付け」したとの批判を浴びた検察庁法改正案から、公務員の定年のあり方に矛先を変えさせ、政権浮揚につなげたい首相。だが、政策の根幹がぶれ続け、これまでの説明との整合性が問われる。森雅子法相の進退伺を提出するなど政権内部の混乱も露呈。迷走ぶりが際立っている。

    首相「変節」に政権混乱 問われる整合性、自民幹部も不満 公務員定年見直し | 毎日新聞
    taketake89
    taketake89 2020/05/23
    ”政策の根幹がぶれ続け、これまでの説明との整合性が問われる。森雅子法相の進退伺を提出するなど政権内部の混乱も露呈。迷走ぶりが際立っている”
  • 公務員定年延長 首相ひょう変「コロナで雇用悪化」理由 唐突な見直し表明 | 毎日新聞

    安倍晋三首相は22日の衆院厚生労働委員会で、国家公務員の定年を65歳に引き上げる、検察庁法改正案を含む国家公務員法改正関連法案について「官が先走り過ぎているとの批判、民間に先駆けて(定年を)65歳に延ばすのは早急ではないかとの批判もある。もう一度検討すべきではないか」と述べ、定年引き上げの導入見直しを検討する考えを表明した。首相は「新型コロナウイルスによる雇用環境悪化」を理由に挙げたが、法案の必要性を主張してきたこれまでの答弁との整合性が問われる。与党からも「ぶれ」を批判する声が出ている。 政府は関連法案について、「人生100年時代」へ備えるための重要政策と位置づけ、首相は国会答弁で「高齢期の職員の豊富な知識、経験等を最大限に活用する点にある」などと必要性を主張してきた。

    公務員定年延長 首相ひょう変「コロナで雇用悪化」理由 唐突な見直し表明 | 毎日新聞
    taketake89
    taketake89 2020/05/23
    ”「官が先走り過ぎているとの批判、民間に先駆けて(定年を)65歳に延ばすのは早急ではないかとの批判もある。もう一度検討すべきではないか」と述べ、定年引き上げの導入見直しを検討する考えを表明した”