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2023年1月21日のブックマーク (14件)

  • 今週の本棚:飯島洋一・評 『ネオ・ダダの逆説 反芸術と芸術』=菅章・著 | 毎日新聞

    (みすず書房・6050円) 「反社会性」と「社会性」境目はどこに 敗戦から5年余、1950年代に実験工房や具体美術協会など前衛美術が活発化した。芸術の聖地はパリからニューヨークへ移り、60年に「反芸術」を唱える<ネオ・ダダ>が現れる。大分の前衛美術サークル<新世紀群>の吉村益信(ますのぶ)、昨年末に亡くなった磯崎新、赤瀬川原平、風倉匠(かざくらしょう)に、荒川修作、篠原有司男(うしお)らが参加し、工藤哲巳などが間接的に関わった。 拠点は東京・新宿百人町の吉村のアトリエ「新宿ホワイトハウス」。磯崎が設計、名前はアメリカの大統領官邸に由来する。<ネオ・ダダ>は「街頭での奇矯なアクション(パフォーマンス)や作品の体(てい)を成さないガラクタオブジェの展示」をした。「反芸術」は工藤の作品に美術評論家の東野芳明が「ガラクタの反芸術」と名付けたことによる。30年代に生まれた彼らは、敗戦と焼け跡を体験し

    今週の本棚:飯島洋一・評 『ネオ・ダダの逆説 反芸術と芸術』=菅章・著 | 毎日新聞
    taketake89
    taketake89 2023/01/21
    “<ネオ・ダダ>の作風は多様であり、一つに括(くく)るのは難しい。だが、あえて言えば、そこには自らの肉体を駆使し、時としてその肉体を痛めつけることで、破壊の衝動を訴える点が見られた”
  • 今週の本棚:中島岳志・評 『スギと広葉樹の混交林』=清和研二・著 | 毎日新聞

    (農山漁村文化協会・2750円) 荒廃人工林、土中も地表も 再生を実証 戦後日ではスギ人工林が急拡大した。しかし、必要以上に植えすぎたことで、値崩れを起こし、やがて放置されることが多くなった。その結果、林は荒廃し、大量の花粉で多くの人が苦しんでいる。集中豪雨などによって、山が崩れることも多い。 一体何が問題なのか。これからどうすればいいのか。 著者は、手入れ不足や間伐遅れに問題があるのではなく、来の森林が持っていた生物多様性の減少こそが原因だという。これを実証するため、混みあったスギ人工林を多様な広葉樹が混ざった混交林に変える実験を行った。スギ人工林を試験地に設定し、「スギ立木の3分の2を抜き切りした強度間伐区」「3分の1を抜き切りした弱度間伐区」「何もしない無間伐区」の三つを作った。これらの比較により、今後のスギ人工林のあり方を検…

    今週の本棚:中島岳志・評 『スギと広葉樹の混交林』=清和研二・著 | 毎日新聞
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    taketake89 2023/01/21
    “著者は、手入れ不足や間伐遅れに問題があるのではなく本来の森林が持っていた生物多様性の減少こそが原因だという。これを実証するため混みあったスギ人工林を多様な広葉樹が混ざった混交林に変える実験を行った”
  • 今週の本棚:磯田道史・評 『中国パンダ外交史』=家永真幸・著 | 毎日新聞

    (講談社選書メチエ・1760円) かわいさ故に 「国策動物」の発見と利用 パンダが町にやってきた時の熱狂を私は憶(おぼ)えている。東京ではない。1988年の岡山だ。「殿様(旧藩主)の動物園」池田動物園に辰辰(シンシン)と慶慶(ケイケイ)という雄雌のジャイアント・パンダがきた。高校生の時だ。表向きは瀬戸大橋開通記念だが不思議に思った。「なんで大阪じゃのうて岡山に来るん?」ときくと、大人たちは「岡山は日中友好に貢献した人が多いけえ優先的に来るんじゃ」と口を揃(そろ)える。遣唐使の吉備真備、文豪・魯迅をかくまった内山完造、周恩来と親しかった岡崎嘉平太(当時はご存命)。そんな岡山出身の中国通の名前をきかされた。パンダ来日にも色々と裏があるのだな、と感じた。パンダがいたのは3カ月。その間、岡山はちょっとした中国フィーバーであった。 書はパンダをめぐる外交史である。2021年にワシントンの有力シンク

    今週の本棚:磯田道史・評 『中国パンダ外交史』=家永真幸・著 | 毎日新聞
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    taketake89 2023/01/21
    “「なんで大阪じゃのうて岡山に来るん?」ときくと、大人たちは「岡山は日中友好に貢献した人が多いけえ優先的に来るんじゃ」と口を揃(そろ)える。遣唐使の吉備真備、文豪・魯迅をかくまった内山完造。”
  • 今週の本棚:沼野充義・評 『首相が撃たれた日に』=ウズィ・ヴァイル著、母袋夏生・広岡杏子・波多野苗子・訳 | 毎日新聞

    (河出書房新社・3190円) 「良識の限界」新文学誕生の予感 ウズィ・ヴァイルは一九六四年生まれのイスラエルの作家。ポストモダン世代の人気作家という。書は短編や、コラムなどから一九編の作品を選んだ日版オリジナルの作品集である。いずれも現代イスラエルの重苦しい社会情勢を背景にしながら、それを突き抜けてしまうようなユーモアとアイロニーがある。 表題作の「首相が撃たれた日に」は、兵役を終えても社会に行き場が見つからない若者の「ぼく」を語り手とする。彼が泊まる場所を探していたちょうどその日、首相が撃たれるという大事件が起こった。イスラエルではこの小説の書かれた四年後の一九九五年に、銃撃によるラビン首相暗殺事件が起きた。予言的な作品と言われるゆえんである。しかし小説の「ぼく」は「無関心だった」とあっさり言い切る。「どっちにしても、この国じゃ…

    今週の本棚:沼野充義・評 『首相が撃たれた日に』=ウズィ・ヴァイル著、母袋夏生・広岡杏子・波多野苗子・訳 | 毎日新聞
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    taketake89 2023/01/21
    “表題作の「首相が撃たれた日に」は、兵役を終えても社会に行き場が見つからない若者の「ぼく」を語り手とする。彼が泊まる場所を探していたちょうどその日、首相が撃たれるという大事件が起こった”
  • 今週の本棚:永江朗・評 『綿の帝国』=スヴェン・ベッカート著、鬼澤忍、佐藤絵里・訳 | 毎日新聞

    (紀伊國屋書店・4950円) 綿の悲しい歴史、膨大な資料で詳説 綿(コットン)なしの生活なんて考えられない。ぼくが大好きなジーンズもTシャツも下も綿。もちろんウールや化繊も着るけれど、肌触りの優しさやガンガン洗える気楽さは綿にかなわない。 でも、綿ほど悲しい歴史を背負ったものはないのではないか。アメリカ歴史家が書いたこのを読んでそう思わずにいられない。膨大な資料をもとに(原註(げんちゅう)だけで137ページもある)、綿と人間の歴史を詳述した大著である。 ワタの木は大昔から中米や南アジア、東アフリカに生えていた。5千年も前から、人びとは綿花から糸を紡ぎ、布を織った。ヨーロッパ人が知るのはずっと後のこと。亜麻か動物の毛でつくった服を着ていたヨーロッパ人は、柔らかな綿に触れて驚いたらしい。書の扉には木の枝に羊がなっている絵が載っている。昔のヨーロッパ人が想像したワタの木だ。

    今週の本棚:永江朗・評 『綿の帝国』=スヴェン・ベッカート著、鬼澤忍、佐藤絵里・訳 | 毎日新聞
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    taketake89 2023/01/21
    “綿ほど悲しい歴史を背負ったものはないのではないか。アメリカの歴史家が書いたこの本を読んでそう思わずにいられない。膨大な資料をもとに(原註だけで137ページもある)、綿と人間の歴史を詳述した大著である”
  • 土記:池田勇人の所得倍増=伊藤智永 | 毎日新聞

    <do-ki> 「令和版所得倍増をめざす」 一昨年秋の自民党総裁選で岸田文雄首相は「新しい資主義」の中身をそう語った。それが昨年春に「資産所得倍増」、さらに「投資倍増」へ変わり、今や「軍拡増税」を掲げて高ぶっている。 国民所得倍増計画(1960年)といえば岸田派(宏池会)創設者・池田勇人(はやと)元首相の金看板だが、「所得倍増」が初めて登場したのは石橋湛山内閣の時である。 56年12月の総裁選に勝った2週間後、自民党の57年度予算編成基方針に完全雇用と並ぶ新経済政策の「目途」として明記。これで湛山は緊縮財政を積極財政に転換し、高度経済成長の扉を開く……はずが、病を得て退陣した。

    土記:池田勇人の所得倍増=伊藤智永 | 毎日新聞
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    taketake89 2023/01/21
    “池田の栄光の裏には、下村治ら官僚や経済学者の理論があった。安全保障体制にも恵まれた。だが決定的だったのは、草創期自民党にみなぎっていた活力だろう”
  • 検証:公的年金、実質0.6%目減り 高齢者、生活苦さらに | 毎日新聞

    来年度の公的年金額は3年ぶりの増額改定となった一方、物価高騰などには追いつかず、実質的には0・6%の目減りとなる。長期的に年金財政を維持し、将来世代の支給水準を確保するための対応だが、料品や光熱費などの値上がりが続く中、年金頼みの高齢者にとってはさらなる痛手になりそうだ。 一気に差し引き、負担感 急激な物価高騰の一方で、年金額が実質的に0・6%目減りするのは、年金額を抑制する「マクロ経済スライド」が適用されるためだ。公的年金制度は、現役世代が払う保険料などで高齢者への給付をまかなう世代間の「仕送り方式」で運営されている。 現役世代(20~64歳)は2020年の約6900万人から、40年には約1400万人減の計約5500万人になる見通し。一方、高齢者は約3600万人から約3900万人に増え、ピークを迎える。少子高齢化で現役世代が減り、高齢者が増えれば年金財政が悪化の一途をたどる。年金財政を

    検証:公的年金、実質0.6%目減り 高齢者、生活苦さらに | 毎日新聞
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    taketake89 2023/01/21
    “急激な物価高騰の一方で、年金額が実質的に0・6%目減りするのは、年金額を抑制する「マクロ経済スライド」が適用されるためだ”
  • 海飛ぶEV船、時代到来? スイス新興2社、大阪万博へ攻勢 省エネ・脱炭素・高速⇦⇨採算・安全、課題指摘も | 毎日新聞

    「海を飛ぶ」と例えられる航行技術を使った次世代高速客船をスイス企業2社が開発している。目標は、2025年大阪・関西万博での商用運航だ。なぜスイス2社は高速客船を開発しているのか。なぜ日なのか。取材すると、その背景には世界最高峰のヨットレース「アメリカズカップ」で起きたスピード革命があった。 「道路は窮屈で混雑している。水上を電動の高速船で移動すれば、ストレスはなく、環境にもやさしい。これからは水上交通の時代だ」。09年創業のスイスの宇宙・海事企業アルマテックは、こうアピールする。 アルマテックが18年から開発しているのは「水中翼船(ハイドロフォイル)」だ。

    海飛ぶEV船、時代到来? スイス新興2社、大阪万博へ攻勢 省エネ・脱炭素・高速⇦⇨採算・安全、課題指摘も | 毎日新聞
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    taketake89 2023/01/21
    “「海を飛ぶ」と例えられる航行技術を使った次世代高速客船をスイス企業2社が開発している。目標は、2025年大阪・関西万博での商用運航だ。なぜスイス2社は高速客船を開発しているのか”
  • 第72期ALSOK杯王将戦:きょうから第2局 序盤の作戦に注目 | 毎日新聞

    藤井聡太王将(20)に羽生善治九段(52)が挑戦する第72期ALSOK杯王将戦七番勝負の第2局(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社主催、大阪府高槻市など共催、ALSOK特別協賛、囲碁・将棋チャンネル、立飛ホールディングス、森永製菓協賛)が21、22の両日、高槻市の温泉旅館「山水館」で指される。5冠を持つ藤井王将と永世7冠の資格を有し、タイトル獲得通算100期に挑む羽生九段との新旧王者決戦。開幕局は藤井王将が制し、初防衛に向け好スタートを切った。第…

    第72期ALSOK杯王将戦:きょうから第2局 序盤の作戦に注目 | 毎日新聞
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    taketake89 2023/01/21
    “開幕局は藤井王将が制し、初防衛に向け好スタートを切った。第2局は羽生九段の先手番となり、序盤の作戦が大いに注目される”
  • 東京・狛江強殺 別事件自衛官携帯に記録 被害者宅「狙う」 千葉・強盗傷害容疑 | 毎日新聞

    taketake89
    taketake89 2023/01/21
    “この自衛官の携帯電話を解析したところ、大塩さんの自宅住所と、そこに強盗に入るという趣旨の内容が記録されていた。千葉県警は19日午後2時45分ごろ、警視庁調布署に「この家が強盗に狙われている」と情報提供”
  • 物価4.0%上昇、41年ぶり 食料品値上げ影響 12月 | 毎日新聞

    総務省が20日発表した2022年12月の全国消費者物価指数(20年=100、変動の大きい生鮮品を除く)は104・1となり、前年同月に比べ4・0%上昇した。上昇率は消費税の導入時や税率引き上げ時を上回り、第2次石油危機に伴う物価上昇が続いていた1981年12月(4・0%)以来、41年ぶりの高水準となった。 政府・日銀が物価安定目標に掲げる「2%」の2倍の水準で、9カ月連続で目標を上回った。原材料価格の高騰などにより料品を中心に値上げが相次いだことが影響した。上昇は16カ月連続で、伸び率は前月の22年11月(3・7%)から拡大した。

    物価4.0%上昇、41年ぶり 食料品値上げ影響 12月 | 毎日新聞
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    taketake89 2023/01/21
    “上昇率は消費税の導入時や税率引き上げ時を上回り、第2次石油危機に伴う物価上昇が続いていた1981年12月(4・0%)以来、41年ぶりの高水準となった”
  • コロナ今春5類、首相表明 「正常化」へ転換図る | 毎日新聞

    新型コロナウイルスに関する関係閣僚協議の後で記者団の質問に答える岸田文雄首相=首相官邸で2023年1月20日午前11時55分、竹内幹撮影 岸田文雄首相は20日、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを今春、現在の「新型インフルエンザ等感染症」から季節性インフルエンザと同等の「5類」に移行する方針を表明した。表明に先立ち首相は、加藤勝信厚生労働相ら関係閣僚と首相官邸で協議し、移行時期の確定やマスク着用の緩和など、具体的な検討を急ぐよう指示した。新型コロナ感染者の国内初確認から3年が経過した中、社会・経済の正常化に向けて大きな節目を迎えた。 首相は首相官邸で記者団に「原則としてこの春に『新型インフルエンザ等感染症』から外し、5類感染症とする方向で専門家に議論してもらうことを確認した」と説明。移行時期については「現場の準備にも関わるので、できるだけ早いタイミングで確認したい」と語った。厚労省は

    コロナ今春5類、首相表明 「正常化」へ転換図る | 毎日新聞
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    taketake89 2023/01/21
    “首相は首相官邸で記者団に「原則としてこの春に『新型インフルエンザ等感染症』から外し、5類感染症とする方向で専門家に議論してもらうことを確認した」と説明”
  • パンデミックの先に:「ワクチン平等」目指したが… なぜアフリカで夢が破れたのか | 毎日新聞

    新型コロナワクチンの接種を受ける女性=コンゴ民主共和国の首都キンシャサで2022年2月3日、平野光芳撮影 国内で初めて新型コロナの患者が確認されてから15日で3年が経過した。パンデミック(世界的大流行)を経て、社会はどう正常化していくのか。各分野の現状を連載しながら、ウィズコロナ時代を展望する。 連載「パンデミックの先に」は、全7回です。 このほかのラインアップは次の通りです。 第1回 感染で認知症リスクが上がる 第2回 重くのしかかる後遺症 第3回 ワクチン不信の背景 第4回 子どもの発達に影響 第5回 飲店が見いだした活路 第6回 移住で浮かんだ課題 新型コロナウイルスの感染拡大では、国際社会が初めて、貧富の差にかかわらず平等にワクチンを提供するとの目標に挑戦した。だがそれは成功したとは言いがたく、特にアフリカでは数多くの課題を残した。国際社会では将来の新たなパンデミック(世界的大流

    パンデミックの先に:「ワクチン平等」目指したが… なぜアフリカで夢が破れたのか | 毎日新聞
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    taketake89 2023/01/21
    “国際社会では将来の新たなパンデミック(世界的大流行)の発生に備えてルール作りも始まっているが、道のりは険しい”
  • 性暴力を許さない:レイプ告発は「灼熱の砂漠」 被害者が語る「SHE SAID」 | 毎日新聞

    ライトと強い視線を浴び、顔をさらして性被害を訴えることは「灼熱(しゃくねつ)の砂漠」に放り出されるようなものかもしれない――。そう考えながら臨んだ記者会見。司会に促され、言葉を発した。「私は同業界の男性からレイプを受けた被害者です」 実名顔出しで記者会見 2019年9月10日、東京・霞が関の厚生労働省記者クラブ。静まりかえった会見場にカメラのシャッター音が響いた。 フリーで働く人や芸能関係者へのハラスメント被害の実態を公表するため、その場に立った。パソコンをタイプする乾いた音が響く中、背筋を伸ばして語った。 「被害を恥じるようなことだと思っていません。被害者は痛々しい存在ではありません。ちゃんとした一人の人間であることを皆さんに知ってほしいと思い、今日は名で顔を出してここに来ています」 声を上げるまでのリアル 当時、元フリーの映像制作者として実名で性暴力の被害を公表した八幡真弓さん。その

    性暴力を許さない:レイプ告発は「灼熱の砂漠」 被害者が語る「SHE SAID」 | 毎日新聞
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    taketake89 2023/01/21
    “当時、元フリーの映像制作者として実名で性暴力の被害を公表した八幡真弓さん。その目に、現在公開中の米映画「SHE SAID/シー・セッド その名を暴け」はどう映るのか”