人類には、スカイネットを想像させるような未来が徐々に見え始めている。 スカイネットとは、映画「ターミネーター」に登場する、人類を滅亡の危機に追い込んだ人工知能のことである。これは創造者の支配下を離れいずれは創造者自身を滅ぼしてしまう、いわゆる「フランケンシュタイン」の象徴だ。現在では「シンギュラリティ」が、このフランケンシュタイン論と合わせて議論されることが多いようだ。「シンギュラリティ」とは、人工知能が人類の知能を上回るという技術的特異点のことだが、人類にはその先に待ち構えるものが全く分からない。飛躍的な進化により高い知能と自我を持った人工知能が、自らを自在にコントロールし、人類を絶滅に追い込むかもしれないのだ。(もちろん人類が先に、「トランスヒューマニズム=知識人が唱えている、技術の発展によって人類そのものが変化・進化するという説」を辿れば別だが。ただ、この議論はまた別の機会にしよう。