【北京=矢板明夫】中国当局は今月上旬、インターネットの検索大手、米グーグルの事業免許の更新を許可した。ネットの検閲問題をめぐり今年1月から続いた同社との対立はこれでひとまず終了した。今後、グーグルは中国に残り、そのサイトは実質的に中国当局から検閲を受け続ける。巨大な市場を失いたくないグーグルが中国に譲歩したともいえるが半年に及んだ同社の情報統制への抵抗は、中国のネットユーザー、とりわけ若者に大きな意識変化をもたらしたようだ。 「表現の自由」を譲れない原則として掲げるグーグルは今年1月、中国当局によるネット規制を受け入れられないと主張し、中国市場からの撤退を示唆した。3月には、香港経由で検閲なしのインターネット検索サービスを中国本土のユーザー向けに提供し始めたが、人権や民主化など政治的に敏感なキーワードはほとんど中国側に遮断されたため、あまり機能しなかった。 その後、グーグルは中国当局のネッ