オリックス証券との合併を発表したマネックスグループ。「質でも規模でも日本一を目指す」と高らかに宣言する。しかし時流は規模より低コスト化。逆張り戦略の勝算はいかに。 「どこも1度はデューデリ(資産査定)したんじゃないですか」 あるインターネット証券の幹部はこう打ち明ける。2年ほど前から、オリックス証券の“身売り”は話題に上っていた。 売買手数料の自由化によりネット専業証券が誕生して10年。サービスでの差別化が図れず、手数料競争で疲弊する中堅クラスのオリックス証券はまさに正念場を迎えていた。 株式相場が低迷した2009年3月期の経常利益は4億円足らず。今後も競争を続けるには、システムへの追加投資が重くのしかかるため、親会社オリックスにしてみれば、もっと儲かるビジネスに経営資源を投入したいと考えるのは当然だろう。 しかし買い手はなかなか決まらなかった。単に規模を大きくするためだけに、多額の買収資