日本航空は9月中旬に株式を再上場する方針を固めた。 2010年1月の会社更生法適用申請から、約2年8カ月で株式市場にスピード復帰するとのことだ。 日本航空の上場時の時価総額は6000億~7000億円となる見通しで、官民ファンドの企業再生支援機構が日航に出資した約3500億円の公的資金の価値が約2倍になる計算だと、新聞は書き立てている。 「国が関与した破綻企業再生での資金回収としては最高額」だというのだが、私に言わせれば、何を脳天気なことを記事にしているのか、と思う。 というのは、今回の上場にあたって「日本航空としての今後の成長シナリオ」が未だに明確に示されていないからだ。 日本航空は稲盛氏の経営改革により、確かに現時点でピカピカの経営状態になった。 稲盛氏の経営手腕は、実に見事で素晴らしい成果を残したと思う。 日本航空の総事業収益とコスト構造を比較してみると、2008年から2011年にかけ