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青野:おっしゃるとおり。事前に議論でもめたほうが、あとが早い。お客さんの所に行ってもめてしまったら、そこからの手間は社内でもめる手間の比ではありません。議論の段階で大いにもめておいたほうが問題点もたくさん見つかって、みんながさまざまな懸念も共有したうえで行動するようになります。だから、あとがスムーズに進むんです。 意思決定の速度を上げるためのルール ピョートル:僕は「Disagree and Commit(意見は異なるけど、協力する)」という言葉をよく紹介しますが、チームの議論で「こういう方向に行こうよ」と決まったら、100%賛成じゃなくても取りあえずやるというのがプロフェッショナリズムの前提です。議論でもめた末にたどり着いた決定事項は、最終的には自分の価値観で決めた答えでしょう。だったら、それにコミットできるはずです。 ただし、やる気とスキルのバランスも大事ですから、スキルがあってもやる
青野:新しいアイデアのもとになる個人のわがままとチームワークをどうつなげるのか。まさにこれがチームビルディングですが、どういうふうに議論するのかというメソッドを持っておいたほうがいいと思います。 例えば、サイボウズには「理想マップ」や「コンセプト」という考え方があります。つねに企業理念という理想に照らし合わせて、これはどうなんだろうと考えながらアイデアを出していく。あるいは、つねにそのプロジェクトのコンセプト、「誰に何て言ってもらいたいのか」を前提にして議論を進めるわけです。 社内でのもめごとを歓迎したほうがいい理由 ピョートル:僕はよく「ケンカは価値観の共有」と言っています。議論する中で感情が湧いているのはお互いの価値観が違っているということ。つまり、もめているときは自分が何を大切にしているのかということを表現できる、あるいは認識できるチャンスなんですね。 価値観の後ろの価値観、意図の意
ピョートル:組織というのはやっぱり人でしょう。ただ、エンゲージメントとかヒューマンリソースとか、そういう外資系の言葉を使ったとたん、人じゃなくてモノにしか見えなくなるんです。 日系の会社は、昔はいい意味で「村」でした。そこでは、メンバーの個人的な感情も含めて、いわゆる帰属意識が保たれていた。人が人として見られていたわけです。ところが、アメリカ型の機能偏重の組織をまねする中で、そういういい面を失ってしまって、しかも、欧米的な仕組みの導入も中途半端で、モンスターだけが生き残っているという非常にまずい状態です。そこを乗り越えて、メンバーが夢中になって幸せに働いているかどうかなど、根本的な個人の満足度や幸福度に注目する企業文化を組織の中に持ち込まないと、いいチームビルディングはできないと思います。 なぜ「わがまま」を言い合うことが重要なのか 青野:幸福度というのは、言い換えると、個人の欲望=わがま
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