アルンデンテとコシを科学的に考察した、第2回、第3回はちょっと難しかったかもしれない。そこで今回は、ちょっとした息抜きの意味も兼ねて、パスタのゆで方をめぐる言説の真相、意外な事実などを、どんどん紹介していきたい。 塩とコシ まずはこんな説から。 「塩を入れると沸点が上がって高温でゆでることができるので、パスタにコシが出る」 よく聞く話だが、実際に計算して検証してみよう。まず水1リットルに塩10グラムを入れた場合、沸点はどれぐらい上昇するのか。水のモル沸点上昇は約0.52K・kg/mol。簡単に言うと、1リットルの水に1モルの物質が溶解していれば、沸点は0.52度上がるということだ。塩化ナトリウム1モルの質量は58.4グラムだから、ゆで汁に投入する10グラムは10÷58.4=約0.17モルに相当する。ただし、塩は水の中でナトリウムイオンと塩化イオンに分離するので、モル数で考えると2倍にな
![連載「男のパスタ道」第4回間違いだらけの「ゆで汁と塩」の常識土屋敦(書斎派パスタ求道者)() @gendai_biz](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/372489352b9b4007716378b7b6e9d2b937a5088a/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fgendai-m.ismcdn.jp%2Fcommon%2Fimages%2Fv3%2Fmeta%2Ffb_ogp-image.png)