オーストラリアのシドニーと新千歳を結ぶ直行便が昨年末就航し、北海道と同国が12年ぶりに結ばれた。就航の決め手は、同国から後志管内のニセコ地域を訪れるスキー客への期待だ。ところが近年、オーストラリア人観光客がニセコではなく、本州のスキー場を旅行先に選ぶケースが急増している。ニセコをいち早く世界に発信してきた彼らの「ニセコ離れ」の背景に何があるのか―。同国で取材した。 【動画】中山峠スキー場オープン 道内トップ(2019/11/18) 昨年12月下旬、真夏のオーストラリア・シドニーの書店。日本のスキー場に関する英語雑誌を読んでいた会社員ベン・テイラーさん(35)は「ニセコは信じられないほど混んでいるし、ホテルが高くなって気軽に行けなくなった」とし、今冬は毎年のように行っていたニセコをやめ、長野に2週間滞在するという。テイラーさんが手にしていた雑誌の巻頭特集は福島県の猫魔(ねこま)スキー場で、長