ICを一切使わず、MOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)とLEDを含むダイオードだけで構成されたフルディスクリートの「CPU1738」が、ロボットのシャーシと合体し、自動で方向転換して走り回るムービーがTwitterで評判となっています。 トランジスタを1738個はんだ付けしてCPUをまるごと作る地獄のキットを買われた方がいるようです.ありがとうございます! 自分が試作したときは7日間かかりました(他の仕事を何もしない場合). ぜひロボット部分のシャーシも組み立てて「走り回るCPU」を作ってください.https://t.co/wKYtabGXHO pic.twitter.com/2X6WYbc1mp— リニア・テック 別府 伸耕 (@linear_tec) このツイートはリニア・テック代表の別府伸耕さんによるもの。ツイートにもあるように、「CPU1738」を自作するキットを購
台湾TSMC のHPより 『報ステ』からのインタビュー依頼 2月9日付日本経済新聞が、台湾の受託生産会社(ファンドリー)大手のTSMCが茨城県つくば市に、約200億円を投じて、半導体の後工程の開発拠点をつくる方向で調整に入ったことを報じた。 同日の午後、この件に関して『報道ステーション』(テレビ朝日系)のニュースデスクを名乗る人物から、インタビューの依頼を受けた。メールのやり取りでは埒が明かなかったため、電話で、TSMCとはどのような半導体メーカーで、今回の後工程の開発拠点を日本につくることの意味などを説明したが、「後工程」ということが理解できないようだった。それどころか、「半導体」というものが、まったくわかっていない様子だった。 加えて、「TSMCが日本に拠点をつくったら、今問題になっているクルマ用の半導体不足が一気に解消されることになるんですよね?」などと言うので、それは次元が異なる別
本当に意味のある忙しさなのか 技術者はとにかく忙しい。技術開発競争に明け暮れて、目の前にある課題を一刻も早く解決しようとサービス残業も厭わず働きに働いている。上司に指示されているわけでもないのに、土日も自主的に出勤して仕事に没頭する。 そうした苦労の末にようやく開発した製品を出荷してそれで終わりかと思いきや、そうは問屋がおろさない。市場に出してから予期せぬ問題が発生する。それが技術上の問題であれば、何はさておき開発者自身が現場に出向いて問題解決にあたらなければならない。本来であれば、技術サポート部隊に引き継ぐべき仕事であるが、技術の粋を集めた新製品では、開発者自身が現場に駆けつけないと埒があかない場合も多い。次の開発をかかえながら、現場のトラブルにも対応しなければならない技術者は、まさに体がいくつあっても足りないほどだ。 しかし、こうした忙しさは果たして本当に意味のある忙しさなのであろうか
もう年末ですね。今年もこのコラムを読んで下さり、ありがとうございます。2013年は日本の半導体産業にとって、明暗がはっきり分かれた一年でした。 東芝はフラッシュメモリを主力とする電子デバイス部門が好調で、2013年4~9月期に営業利益は過去最高の1137億円を達成。ソニーのイメージセンサー事業も好調で、苦境に陥るルネサスエレクトロニクスの鶴岡工場の買収に手を上げているとも報道されています(関連URL)。 その一方、システムLSIはどの企業も厳しい状況。ルネサスエレクトロニクス、パナソニック、富士通セミコンダクターと、事業の切り離しや工場の売却、人員の削減が相次いでいます。 日本では厳しい経営状態が続くシステムLSI事業でも、世界を見回すと全く異なる景色が見えてきます。Appleは自社のスマートフォンやタブレットに向けてCPUを社内で設計していますし、巨大なデータセンターを運営するGoogl
ふと、今後5年でFPGAはバカみたいに安くなってくるかもしれないと思ったので、まとめておきます。 ただし、材料はブログで見た話とか人に聞いた話とかで、しかもそれをいいように解釈しての話なので、妄想レベルであることを最初に断っておきます。 用語として、FPGAのようなプログラム可能なチップに対して、出荷段階で回路が決まっているようなチップをまとめてASICと呼びます。(ASICの正確な定義は知らない) 今のFPGAは「なんでもできるけど高くて遅い」 前に、「CPUはオワコン」というタイトルでFPGAが来るよという話を書いたときにあった意見として、「CPUは終わらないでしょう」という話よりも「FPGAだけじゃないでしょう」という話が多かったように思います。 その根底には、FPGAはチップとしては遅いということと、もっと大きい要因として高いということがあります。 FPGAは、同じ回路であればAS
ルネサス エレクトロニクスは、2月19日に、鶴丸哲哉取締役執行役員(58)が社長に昇格する人事を発表した。現社長の赤尾泰氏(58)は取締役に退き、いずれ引責辞任するという。8人から4人に減らした取締役もすべて社内の昇格人事で決定された。 政府系ファンドの産業革新機構とトヨタ自動車や日産自動車などの官民連合が1500億円の投資を完了する9月までの暫定人事と報道されているが、社長と経営陣は社外から連れてくるべきと思っている私は、いくら半年だといってもこの人事には賛同できない。 しかし、ある日立製作所関係者から、「湯之上が言うことは正論だが、今、ルネサスの社長に求められているのは何だ? 技術が分かることか? 市場が分かることか? 経営戦略論に精通していることか? 混乱し、意気消沈しているルネサスに、そんなものは二の次だ。元気があって、大声で吼えることができる奴だろう。だとしたら、鶴丸氏は最適なん
FPGAでエクストリームなコンピューティングの会という謎の勉強会に呼ばれたので参加してきました。僕も発表する予定だったのですが、時間が取れず今回は発表無しでした。時系列gdgdで感想を。 FPGAで証券取引の話がとても面白かったです。話を聞くまでは証券取引の記事にでてくる数msというのがFPGAだったら余裕で、FPGAなめんなと思っていました。FPGAの中にCPU乗せてCで書いたアルゴリズムがCPU上で走っているのかなと勝手に想像していました。しかし、良く話を聞いていると、msは発注するまでの許容時間の話で、実際にFPGAとして応答しないといけない時間は20us程度、結構厳しい速度ですね。ふと確認したら高位合成のHandel-Cで有名なセロクシカが、完全に金融に移行していて驚きました。 FPGAでWebサーバとFPGAで高速のデータベース処理は、いまいち使われている技術の違いが分かりません
FPGAでCPUを組んでると、フェッチ部やデコーダ部で足し算や掛け算をしようとして、そんなことしたらCPUの意味ないなーと思ってしまうことがありました。 で、よく考えたら、FPGAでロジックを組むならCPUの意味はないんです。 だいたい、ひとつの処理実行するのに何クロックかかってんですか!と。 CPUでは、計算効率をよくするためにパイプラインという仕組みが使われています。 最近では、18段とかのパイプラインもあるようです。 ここで、18段のパイプラインのうち、実際に計算を行うのは2段か3段だったりします。残りの15段くらいは、命令や計算結果を読んだり書いたりしているだけです。 このパイプラインも、ほとんどはメモリの読み書き、それも命令の読み込みに多くが使われます。 であれば、CPUにしなければ、18段全部計算に使えるんじゃね?という話になりますね。 決まりきった計算を行うのに、いちいちメモ
はたから見てると、FPGAとArduinoとRasberry PIって、なんか小さくてデバイス挿して使ってて似たもののように見えるかもしれません。 そんな中、どこが違うの?って思ってる人もいるかと思ったので、それぞれの違いと、そしてそこから得られる技術者としての知識をまとめてみます。 まあ、得られる知識として「それぞれのデバイスの使い方と周辺環境」ってのはありますが、それは当然として。「それぞれのデバイスの使い方と周辺環境」を得るメリットがわかる比較としてまとめたいと思います。 根底は「なんで最近FPGAをやってるか」っていうことの説明なので、そういうバイアスがあると思ってください。 FPGAというのはチップの種類なので、実際にはDE0などのFPGA評価ボードとの比較ですが。中でもDE0-nanoは大きさや価格を考えると、豪華なArduinoくらいの位置づけとして出してきたようにも見えます
米IBM社研究所は、異なるアーキテクチャのリソースが混在したコンピューティング・システムのプログラミングを一括して行える設計環境に関して、「Asia and South Pacific Design Automation Conference(ASP-DAC) 2013」(2013年1月22日~25日にパシフィコ横浜で開催)で招待講演した。講演タイトルは「The Liquid Metal IP Bridge」(講演番号:4A-3)である。 講演タイトルにある「Liquid Metal」は、異なるアーキテクチャのリソースが混在したコンピューティング・システムのプログラミングを一括して行える設計環境を開発するプロジェクトの名称である(プロジェクトのホームページ)。このプロジェクトは2007年に始まった。今回、登壇したのはRodric Rabbah氏で、同氏はThomas J. Watson R
数十nm単位の微細加工に適した技術「ナノインプリント」。ある種の印刷技術を使って樹脂表面などに微細なパターンを転写する米国の大学発の先進技術だ。同技術の特許出願状況を調査したパテント・リザルトによれば、強い特許を持つ上位5社の中に、日本企業として東芝、キヤノン、富士フイルムが入った。 材料の表面に微細な加工を施す手法はさまざまだ。機械部品であれば金型を使った射出成形の他、切削や研磨が主流であり、nm(ナノメートル)単位の加工が必要な半導体であればリソグラフィとエッチングを組み合わせが適している。それではリソグラフィやエッチングには不向きな材料の表面に十~百nm程度の微細な加工を施すにはどうすればよいのだろうか。 ナノインプリント技術がある。同技術にはさまざまな派生形があるが、基本的な考え方は「はんこ」と同じだ。例えば、はんことなる金型に数十nm程度の凹凸を刻み、基板上に塗布した樹脂材料に押
アップルとサムスン電子のスマホを巡る特許訴訟を調べていたら、偶然、爆笑ものの記事を発見した。それは、今や経営者や起業家にとってバイブルともなった『イノベーションのジレンマ』(翔泳社)の著者であるクレイトン・クリステンセンの失言である。 実は私は、アップルとサムスンの特許訴訟にさほど関心がなかった。なぜなら、「サムスンがパクッたに決まってるじゃないか」と思っていたからだ。私は、両社のスマホの中味や訴訟の詳しい事情を知っているわけではない。しかし、DRAM、液晶、太陽電池など、これまでのサムスンのやり方を考えれば、私には「一目瞭然」としか思えなかった。 (この原稿を書き終えた8月31日に日本では東京地裁により「サムスンは特許侵害をしていない」という判決が下されたが、サムスンに対する私の疑惑はまったく変わらない。裁判結果が常に正しいとは限らない) 世界一の投資家であるウォーレン・バフェットの言葉
半導体露光装置大手の蘭ASMLは7月9日(オランダ時間)、次世代露光装置であるEUVならびに450mmウェハ対応技術の開発を加速させることを目的とした研究開発プログラムを発表した。 同プログラムでは、ASMLのカスタマを対象に最大25%の小規模投資が可能となっており、IntelがASMLの発行済み株式の10%を17億ユーロ(約21億ドル)で購入すること、ならびにその後、5%の発行済み株式を追加購入(8億3800万ユーロ、約10億ドル)することを発表している。 また、Intelは8億2900万ユーロ(約10億ドル)の資金提供を確約しており、これにより450mmウェハ対応技術ならびにEUV露光技術の開発が約2年前倒しすることを支援するとしている。 プログラムは2段階に分かれており、第1段階として450mmウェハ製造装置の開発と納入の早期実現を支援するため5億5300万ユーロ(約6億8000万ド
Intel,蘭AMSLの450mmウェハ露光とEUV露光の技術開発促進を支援 インテル コーポレーションとAMSL 次世代半導体製造の中核技術の開発促進で合意 配信元 Intel 配信日 2012/07/11 <以下,メーカー発表文の内容をそのまま掲載しています> インテル コーポレーションとAMSL 次世代半導体製造の中核技術の開発促進で合意 ニュース・ハイライト インテルはASMLの研究開発プログラムに対して8億2,900万ユーロ(約10億ドル)の提供を確約し、450 ミリメートル(mm)・ウエハーと EUV(Extreme Ultra Violet:極紫外線)露光の開発を約2年前倒しするよう支援 ASMLが同社の顧客を対象に最大 25%の小規模投資を行うプログラムの一環として、インテルは、まず ASML の発行済み株式の10%を 17 億ユーロ(約21億ドル)で購入、その後に5%の発
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