旧川南造船所 撤去へ 1/6 湾にたたずむ廃墟 川南造船所跡の全景 佐賀県伊万里市の伊万里湾に面した地に、荒れ果てたコンクリート造りの巨大な廃墟がひっそりとたたずんでいる。太平洋戦争中、軍需工場として稼働、人間魚雷も製造したという「川南(かわなみ)造船所」跡だ。 戦後に閉鎖、50年以上も放置され、現在は佐賀県が管理。「廃墟マニア」の間で人気のスポットになっていたが、老朽化で倒壊の危険があるため立ち入り禁止となり、撤去される見通しだ。 窓ガラスは割れ、外壁にはツタが絡まり、草木が張り付くように伸びている。海からの風雨にさらされ続けた窓枠は赤黒くさびた状態で、「国家の存亡を懸けた太平洋の戦い」を、銃後で支え続けた人々の苦労を静かに語り掛けてくるようだ。 長崎県松浦市との県境近く。そばには、湾をなぞるように第3セクター「松浦鉄道」の単線が走っている。 所有者の許可を得た上で、佐賀県の担当者ととも