「HUGっと!プリキュア」が1月27日、最終回を迎えた。シリーズ開始から15周年の節目を飾った本作。ジェンダーや働き方といったテーマに正面から切り込む内容が注目を集めたが、とりわけ、人間の男の子が初めて変身し、プリキュアを名乗ったことは歴史的だった。なぜならプリキュアは元来、「女の子だって暴れたい」――社会が押し付ける「女の子らしさ」へのアンチテーゼから生まれたからだ。 さらに、48話(1月20日放送)。「みんな、みんな、プリキュアなんだ!」。主人公のキュアエール(変身前は中学2年生の野乃はな)がそう叫ぶと、登場人物が一人残らず、一斉にプリキュアに変身してしまった。理屈の上では、これは「プリキュアの否定だ」と怒ることもできたはずだ。「女の子だって暴れたい、は一体どこに行ってしまったのか」「女の子からプリキュアが取り上げられた」と。