日本を代表する電機メーカー、東芝がなぜ組織的とも言われる不適切な会計処理に突き進んだのか。この10年間に役員や幹部の立場にあった人たちの証言からは辞任を表明した歴代3社長の下で企業風土が大きく変容していったことが背景として浮かび上がります。 また、子会社の元幹部は「財閥系で関東を拠点にゆったりとした社風だった。重電系の人物がトップに立ち続け、経団連の会長も出すような誇りある会社」と話しています。 しかし西田氏、佐々木氏が社長として経営の指揮を執った時期に社内の雰囲気は一変したと元幹部たちは口をそろえます。社長たちは毎月開かれる会議の場で目さきの業績アップを強いことばで迫ったといいます。 元幹部は「西田さんが社長になったころか。雰囲気がずいぶん変わったなと思った。とにかくみんなリスクを取らなくなり、ロスが出るものに手を出さない。日立なんかとは全然違う。よくも悪くものびのびと新規事業に取り組む