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ブックマーク / d.hatena.ne.jp/tsugo-tsugo (12)

  • ピアノを弾くように微分積分を解く - Ockham’s Razor for Engineers

    わたくしは高校時代、数学がどうしてもわからず、テストもどうにも点が取れず5段階評価で、1をとったことがあります。…今の仕事は、毎日、現在の製品の挙動を説明する物理モデル、もしくは将来の製品に搭載できる程度の数学と物理モデルを構築するのが仕事です。製品で扱う程度のモデルとゆーのは、それほど複雑なものではありません。あまりにも複雑になると製品のキャパを超え、実用的ではないからです。たぶん、せいぜい学部の数学と物理がきちんとわかってればOK、ぐらいのレベルだと思います。むかしむかし、あまりにも数学がわからず、高校二年生のとき、どうやったら数学ができるようになるんでしょうか、と数学の先生に泣きついたことがあります。先生「教科書レベルの練習問題が載っている薄い問題集を買ってきて、毎日5題解きなさい。」…えっ、たったこれだけ?それじゃ小学校や中学校と変わらないじゃないですか。先生「数学は慣れです。いい

    taninsw
    taninsw 2011/07/19
  • 知財とわたくし - Ockham’s Razor for Engineers

    今回は、特許の話です。弊社の研究所では、他社の特許を「すごく」読みます。量でいうと、テーマにもよりますが、2,3年に一度のペースで、だいたい数百件〜1000件ぐらいを最初に抽出します。そこから、ひとりで自分の研究ターゲットに近い発明を2桁ぐらいまで減らします。もうこのへんは脳みその筋トレ状態で、一日中ひたすら特許を読んで、企業名、対象製品、使用されている技術の分類をつくって、分類をしていきます。さらにそれを再度読みなおして、最終的にコレは丁寧に読まないとやばいなー、というのを半分ぐらいに絞り込みます。だいたい50件ぐらいですか。これを丁寧に読むのはさすがに時間がかかるので、何人かで分担してちょっとずつ毎日3件〜5件とかそういうペースで読みます。それをやっていくと、だんだん世の中のことが見えてきて、課題、研究の軸足が見えてきます。特許の弱点、利点をふまえつつ、じゃあこういう特許を先行して書い

  • 何故論文を書くのか - Ockham’s Razor for Engineers

    はてな村をふらふらしていると、論文を書くのは、学者の実績になるからだのアカポス獲得のため、という言い方がされることが多く、正直モニョります。どうも論文の質を見失っているように思うので、ちょっと「なぜ書くのか」を掘り下げて書きます。論文を書くのは、べつに自分の名誉のためにやってるわけじゃありません。論文を書ける能力がある人間は、それなりに、社会的役割があると思っています。基的には論文というのは、人のために書くものです。個人的には何故論文を書くかといったら、現場がぼんやり「これって、多分こういう話じゃね?」と思っていることを精査して文書化、一般化する次の世代のエンジニアに、自分の考えていることを伝えるため自分だけでは思いつかない、自分の研究の応用を誰かが考えてくれるからだと思っています。現場がぼんやり「これって、多分こういう話じゃね?」と思っていることを精査して文書化、一般化するものづくり

  • うまくいく実験、うまくいかない実験 - Ockham’s Razor for Engineers

    最近考えていること その2結論が出てない話ばっかりですみません。もう一個気になることがあって、時々考えていることがあります。最近はデータ処理や解析ばっかりで、計測からやや離れているんですが、ちょっと気になることがあります。うまくいく実験とうまくいかない実験ってありますよね。最近、「あ、これ多分ダメだわうまくいかないわ」と感じた実験現場に遭遇しました。これがきわめて直感的な感触で、自分のなかでうまく説明ができません。機械工学に偏っている箇所がありますが、うまくいく実験は、すこし、説明できます。実験者の頭のなかに、あらかじめ大雑把な結果の予想図がある実験者に質問をしたとき、なぜこういう設置、設定をするか「わからない」箇所が無いその実験設定をするに至ったロジックに、一切粗雑な箇所がないセンサや装置の配置、寸法の測り方がものすごく細かくて丁寧計測ノイズになりそうなものを、可能な限り排除したか、努力

  • 各分野間のつながり - Ockham’s Razor for Engineers

    私は、絵でいうと真ん中辺の分野、計数工学、計算機科学、情報工学とか呼ばれる分野を勉強していましたが、そこではさっぱりダメな子でした。したがって、がりがりアルゴリズムを作って実装していく人はすごいなーと思っています。各分野に担当のジョブがあって、一人ひとりができることは限られていますから、どの分野がすごいとか、偉いってのは無いと思います。

  • 闇夜を照らすPerspective Beam - Ockham’s Razor for Engineers

    かたかな書きで「パースペクティブビーム」。Perspectiveは個人的に好きな英単語のひとつで、「視点」という意味のほかに「大局観」という意味があります。これは一生の課題です。超一流の学者連中は、なんであんなに先が「見えて」いるんだろうと思うことはよくあります…。今の私は多分こんなかんじ。先は長い…。

    taninsw
    taninsw 2010/06/04
    自分の目は8-digit LEDです。(3 . 3)
  • Two Body Problem - Ockham’s Razor for Engineers

    日米関係なく、夫婦で研究者、もしくは専門職だったりするとかならず直面する問題です。今日の昼飯の話題もこれでした。ちなみに、ボストンは大学、研究所が多い都市なので、この問題を避けるために多数の研究者が大学、研究所に応募するため激戦区なんだそうです。まあこれは決して他人事ではなくて、私事ですが、私も主人とここ数ヶ月ほど、アメリカ国内で別居しています(彼は週末ごとに帰ってくる)。なかなかむずかしい問題です。

  • BUの音響屋さん - Ockham’s Razor for Engineers

    昨日、友達のファイナルディフェンスに参加してきた。ミーティングルームに大きなテーブルがあって、奥の席を教授陣が固めて、入り口に近い席に我々大学院生が座る。そして後ろのほうの席には、かつてBUでPh.Dをとって、今は研究所で働く卒業生の姿も。ファイナルディフェンスは誰でも参加できるので、今回はそのスピーカーのお母さまがクッキーを焼いて、ダンキンドーナッツのコーヒーサーバーといっしょに持ってきた。お母様とco-advisorの会話、「奥様、彼は実に素晴らしい息子さんだ。ぜひこちらに座って、彼の雄姿を見てあげてください」と激励。ああなんか見てるだけでこっちまでじーんとくるよ。内容は、投稿論文3〜4分ぐらいのボリューム。うーむ。すごいボリューム。しかも面白い。この博士論文から、更に実践的な話の展開もありそう。実際の水中音響問題では、色々改善案も出せそう。と思ってたら、古典的手法と自分の提案手法の

  • 留学が無事に終わりそうなので - Ockham’s Razor for Engineers

    ちょっと今までのことを書いてみる。まず人のやる気が大切。なにかやりたいことが出来たら、実現可能かどうか周りに訊いてみるのがまず最初にやること。たとえば子供のとき、私は天文物理学の研究者になるのが夢だった。誰かガイドしてくれる人がいるとありがたい。若い、どころか小学校ぐらいの幼いときは、自分の漠然とした目標を達成するための手順と難易度を、回りの大人に教えてもらう必要がある。一方で、人間は20をすぎてから、結構妙なところで化けたりするから、学問に関しては、高校ぐらいで「この辺でもうやめとけよ」って言うのは大人の余計なお世話だと思っている。学部でたいしたことなくても、大学院で化けるなんてざらだ。でもとにかく、自分をガイドしてくれる大人がそばにいることが、環境のひとつだと思う。私には25ぐらいまで、そういう人はあんまり周りにいなかった。気づいたら天文物理学と研究者になる夢はどこかにいって、計測器

  • 頭のネットワーク構造を意識する(研究用に) - Ockham’s Razor for Engineers

    習慣的に論文を読むとか、なにかしら研究に携わっていると、それなりに数式と物理現象間の接続が強くなっていくなあという感じがします。言い換えると、脳内のネットワークが研究向けに変わっていくというか。筋トレみたいなもんですね、使ってるうちに筋肉がついていく、という。BUでは、最初の一年間ひたすら数学と物理ばっかりやってましたが、あれは今から思うと一種の体力づくりだったんだなと思います。

  • 狭い視野のまま歩いて視界を稼ぐ - Ockham’s Razor for Engineers

    Perspective半径は、たかだか凡人の私の場合1m〜3mぐらいなので、であればそのまま歩き回ってその面積を稼いで、視野を広げるのがこつではないかと。最近、学会とか出歩くことが増えまして、やっぱり外を歩き回って見聞を広めることが大切ではないか、という当たり前のことに気づいたこのごろです。

    taninsw
    taninsw 2010/03/24
  • 仮説ツリーを伸ばして剪定して盆栽にすると美しい - Ockham’s Razor for Engineers

    はてなブックマーク - Looks cute, Looks weird - 2009年4月15日失敗、というほど重い言葉で捉えてないんだよな個人的には。仮説バイナリツリーみたいな木の枝を最初に大量に生やして、いらん枝から切って盆栽にすると美しくて正しい、みたいな感じ。えーと、☆をたくさんいただいたので自分で言及します。実際は、実験の仮説を間違えたまま4時間ぶっ通しで実験しちゃったとか、装置が壊れた(壊した)とか、装置を他で使ってるから今使えないとか、見つけた数理モデル1個だけでは自分の研究には足りなかったとか、一個の論文では仮説を補強するには不十分だったとか、ライブラリにバグがあったとか、いろんな目にあうんですけれど。基的には、研究における仮説とその検証は、盆栽作りに似ていると思います。つまり、日々の研究のプロセスに対して、あんまり失敗とか重い言葉を与えたり、いちいち深刻に考えないで、ち

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