「通報はしない。捕まるなよ」薬物依存症の患者に精神科医が語りかける理由薬物依存症の患者を診てきた埼玉県立精神医療センター副病院長の成瀬暢也さんは「通報はしない」と患者に約束し、「捕まるなよ」と声をかけます。 なぜなのでしょうか? 薬物依存症治療に関わってきた専門医で埼玉県立精神医療センター副病院長の成瀬暢也さんに話を聞いた。 薬物があったから生き延びてこられた人も多いーーまず、薬物を使うことを犯罪と見るか、病気と見るかですが、犯罪と見ている人が大多数だと思います。芸能人が薬物で逮捕された時のバッシングの酷さを見ても痛感するのですが、先生が薬物を使うことを「病気」と捉える理由について教えてください。 僕自身も1995年に依存症病棟に配属されてから10年ぐらいは患者さんをちゃんと診ていなかったと思います。 なんとなく嫌な感情を抱き、一人一人がどんな思いでいるか、その背景についてあまり関心を持っ
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