(梅田望夫『シリコンバレー精神』ちくま文庫、2006年8月、文庫のための長いあとがき) 「シリコンバレー精神」とは/そのときグーグルは何をしていたのか/未来を創造する営みが水面下で続けられていた歴史/起業家主導型経済にバブルやモラルハザードの発生は必然/「シリコンバレー精神」だけがメカニズムを補強できる/活況を呈したシリコンバレーでまたバブルが起きるか/「シリコンバレー精神」でモノを書く/「二〇〇一年秋から二〇〇六年夏」のこと/その後の私
組織を編成する場合に,個人の資質によって役割を与えることは非常に大切である。同じ人間であっても,使い方によっては実力の10%も発揮できずに終わることも多々あるからである。例えば次のような非常に優秀なプログラマが居たとする。 (1)仕事が速い (2)バグの少ないプログラムを書く (3)コーディング規約に沿って書く (4)仕様書を具現化する際に業務を見渡したアルゴリズムを構築できる チームにこのような優秀なプログラマがいると,どうしても担当者としてプログラムを書かせたくなるのは心情というものだ。しかし,プロジェクト・マネージャ(PM)は,このような優秀なプログラマを,他のプログラマと同様に担当者として扱ってはいけない。できる人間は,チームのリーダー格として抜擢すべきである。 できる人間の使い方をミスしたEさん 筆者の知り合いであるEさんは,Javaによる販売管理システム開発のPMに任命された。
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