柔道の女子選手15人が園田隆二・全日本女子前監督の暴力行為を告発した問題で、元世界女王で日本オリンピック委員会(JOC)の山口香理事(48)(筑波大准教授)が9日、読売新聞社の単独インタビューに応じ、「この問題では、勝者は誰もいない。選手も、全日本柔道連盟(全柔連)もスポーツ界全体も被害を被った」と述べ、選手らも傷ついていることなどを明らかにした。 この問題では告発した15選手に対しJOCによる聞き取り調査が予定されている。しかし、ヒアリングを担当する橋本聖子JOC理事が「プライバシーを守ってもらいながらヒアリングしてもらいたいということはいいことでない」と発言したことを知ると、選手の一人は「誰を信じていいのかわからない。私たち、聞き取りを受けていいんですか」と動揺し、実名が明らかになるかもしれない不安を口にした。 園田監督が批判を浴び、辞任に追い込まれたことに、胸を痛める選手もいるという