トヨタグループの豊田中央研究所(愛知県長久手町)は、水と二酸化炭素(CO2)を原料に、太陽光エネルギーで有機物をつくり出す「人工光合成」の実証実験に成功した。高価な薬品などを使用して成功した例はあるが、植物と同様に水とCO2だけの原料で人工光合成に成功したのは世界初の快挙だ。 同研究所は、石油の代替資源を探している中で、「自動車が排出しているCO2を資源にできれば一石二鳥だ」とひらめき、約5年前から人工光合成の研究に着手した。10人弱の研究チームで、実験に取り組んできた。 試行錯誤の末、特殊な触媒を活用することで、水を水素と酸素に分解して電子を抽出する反応と、その電子をCO2とくっつける反応を同時に起こすことに成功。酢の仲間の「ギ酸」という有機物をつくり出すことに成功した。 有機物は生物のエネルギー源。無尽蔵にある太陽光と水、CO2だけで有機物を取り出すことができるなら、世界のエネルギー問