『遺伝子-親密なる人類史-』、タイトルのとおり遺伝子についての本である。遺伝子といえばもちろん生命科学の分野なのであるが、この本の内容はそこに留まらない。遺伝子についての科学的な解説だけでなく、人間社会におけるその意義と重要性についても広く論じられている。この本を読むと、二一世紀は、誰もが遺伝子について考えねばならない時代である、と強く印象づけられる。 著者のシッダールタ・ムカジーはインド出身で、スタンフォードからオックスフォードを経てハーバードからコロンビアと一流大学を渡り歩き、誰もがうらやむようなキャリアを積んできた腫瘍内科の専門医だ。研究者としても、造血幹細胞や白血病についての論文を、ネイチャー誌をはじめ一流雑誌に発表している。そのムカジーにとって、この本は三冊目の本である。処女作は『がん-4000年の歴史-』(ハヤカワ・ノンフィクション文庫、『病の皇帝「がん」に挑む-人類4000年
ベンチャー企業の経営を10年やってみて、分かったことの1つは、ダーウィンの進化論の根源的な正しさだった。強いものや賢いものが生き残るのではない、世界はどう変化するか誰にも分からないのだから、運と適応以外に生き残る術はない。全くもって、その通りだと思う。 2006年にライフネットプロジェクトをスタートさせた時、世の中にスマホはゼロだった。これほどまでにスマホが普及するとは頭の片隅にも思い及ばなかった。その意味で、「生保×スマホ」を想定したライフネット生命とKDDI社の提携は必然であったと考えていいのだろう。 本書は、歴史を変えたダーウィンの進化論を(ほぼ同じ時期にウォレスも自然淘汰という考えに辿り着いた)、美しい200枚以上の写真(視覚)で説明しようとした野心作である。 はじめに、ダーウィンとウォレスが進化論を誕生させた経緯が語られる。因みに2人は仲が良かったそうである。次に、太古の歴史から
<北米からペットとしてドイツに渡った普通のザリガニが、わずか5年で驚くべき進化を遂げた。このままだといずれ地球を覆いそうだ> ザリガニ(クレイフィッシュ)の仲間のほとんどは、人間と同じ方法で繁殖する。セックスをするのだ。ところが、ペットから進化を遂げたあるザリガニは、セックスをしない。代わりに自分のクローンを生み出すことで繁殖する。クローン能力を身につけたこのザリガニは今、オスなして爆発的に数を増やしている。 2月5日付けで学術誌ネイチャー・エコロジー&エボリューションに発表された論文によると、ドイツの研究者たちは、マーブルクレイフィッシュ(通称:ミステリークレイフィッシュ)と呼ばれる新種のザリガニのゲノム塩基配列を解読した。その結果、調べた11個体すべてのゲノムがほぼ同一であることがわかった。つまり、このマーブルクレイフィッシュは交配による生殖はしないということだ。北米に生息する原種は普
いまもっとも話を聴いてみたい人物といえば、なんといっても白鵬である。昨年の九州場所を前に発覚した暴行事件以来、相撲界が揺れに揺れているのはご存知の通りだ。メディアはわかりやすい対立の構図を仕立て上げ、それぞれの陣営の応援団を買って出た関係者が次から次にワイドショーに登場してはもっともらしい背景を語ってみせる。相撲界をめぐる空騒ぎは一向におさまる気配がない。 マスコミの視線は当然のごとく白鵬に集中する。なにしろ9年もの長きにわたって国技の頂点に君臨してきた人物だ。彼はいまどんな相撲観を持ち、どんな未来を思い描いているのか、その思うところが聴きたい。だが一連の騒動以来、黙して語ることがない。その結果というべきか、いま白鵬は猛烈なバッシングにさらされている。思い上がっているだの傲慢だのと批判され、張り手やかち上げなどの取り口を「横綱らしくない」などと非難され、途中休場すれば「もう終わった」とまで
巨大なキングコブラとアミメニシキヘビが絡まりあいながら絶命しているという衝撃的な光景が、画像投稿サイトImgurに投稿されました。 The King (Cobra) Is Dead (and So Is the Python) https://www.livescience.com/61634-cobra-vs-python-photo.html 巨大な2匹のヘビの相討ちは、以下の投稿で確認できます。 The King has met its match... 写真が撮影された場所は不明ですが、キングコブラの生息域とアミメニシキヘビの生息域の重なり合いや、写真に写り込むペットボトルなどのゴミの散乱する砂地などの手がかりから、東南アジアのどこかであることは間違いないそうです。 キングコブラは最も大きな個体は5メートルを超える体長を持つ「世界最大の毒ヘビ」として知られ、獲物に噛みついて毒を送り
イギリスのユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)などの科学者による研究チームが、バクテリアに対する攻撃性を持つ大きさ20ナノメートルほどの微細なタンパク質「人工ウイルス」の合成に成功したことを発表しました。 BACTERIOPHAGES OF THE URINARY MICROBIOME http://jb.asm.org/content/early/2018/01/10/JB.00738-17 Synthetic ‘virus’ to kill bacteria http://www.ucl.ac.uk/news/news-articles/0118/230118-synthetic-virus UCLとイギリス国立物理学研究所(NPL)による研究チームが開発したのは、中空構造を持つ大きさ20ナノメートルほどのタンパク質の組織とのこと。この組織は、自然に存在しているウイルスの外側
アメリカの汚名 第二次世界大戦下の日系人強制収容所 著者:リチャード・リーヴス 出版社:白水社 ジャンル:社会・時事・政治・行政 アメリカの汚名―第二次世界大戦下の日系人強制収容所 [著]リチャード・リーヴス 1941年12月、日本軍の真珠湾奇襲攻撃により太平洋戦争が始まった。このときからアメリカ国内(とくに西海岸)に住む日系アメリカ人はどのような状況に置かれたか、その詳細なリポートがアメリカ人ジャーナリストによってまとめられた。「一二万人以上の日系アメリカ人が自宅から追い立てられ、第二次世界大戦のあいだ中、国内一〇カ所の『転住センター』といくつかの刑務所に抑留」されたのである。 転住センターとはいえ砂漠に建てられたその収容所は、まさにジャップと謗(そし)られる敵国人のゲットーであった。ここには財産をすべて奪われた日系アメリカ人が集められ、世代による意識の違い、所内の協力者へのリンチ、さら
宇宙飛行の父ツィオルコフスキー 人類が宇宙へ行くまで 著者:的川 泰宣 出版社:勉誠出版 ジャンル:エッセイ・自伝・ノンフィクション 宇宙飛行の父 ツィオルコフスキー―人類が宇宙へ行くまで [著]的川泰宣 ツィオルコフスキーって誰?とタイトルを見たほとんどの人は思っただろう。私も思った。 ロケットの推進原理を打ち立てたロシアの科学者だそうだ。彼の理論をもとに、ソビエトは世界初の人工衛星スプートニクを打ち上げ、ガガーリンの宇宙飛行も成功させた。日本の小惑星探査機「はやぶさ」に使われたイオンエンジンも、元々は彼のアイデアだったというからすごい。 ノーベル賞級の業績にもかかわらず、あまり知られていないのは、長くソビエトの鉄のカーテンに隠されていたからだ。今でも本国以外で彼の評伝を見たことがないと著者はいう。つまり本書も本邦初になる。 ツィオルコフスキーの人生は苦難の連続だった。1857年モスクワ
「すたみな太郎」というお店を知っているだろうか。寿司や焼肉などが食べ放題のお店である。 名前は聞いたことがあったのだが行ったことがなく、先日行ってみたところ夢ごこちのような体験、そして興奮冷めやらぬ熱い夜となり、これは皆さん行った方がいいと思ったのでその魅力と同時にすたみな太郎の進化した姿をお伝えしようと思う。 そして、行ってみたくなったら誘ってください。
人口減少が進む中、若い人材を地域で確保しようと、大学などを卒業後、地元の企業に就職することなどを条件に県や地方自治体が奨学金の返済を肩代わりする動きが全国に広がっています。 文部科学省などのまとめによりますと、これまでに少なくとも青森、新潟、富山、高知、鹿児島など24の県、それに15の市で制度が作られていて、このうち、富山県では、基幹産業の医薬品を支える人材不足を解消するため、県外の薬学部を卒業した学生がUターンをして指定する企業に就職すれば返済を支援します。 また東日本大震災の被災地、宮城県石巻市では、学校を卒業したあと看護師や保健師、それに保育士などの職種に就き、市内の事業所で働けば返還を支援していて、震災後の人口流出に歯止めをかけて復興を進めたい考えです。 奨学金の返済支援は、学生のUターンなどの後押しになると期待されていて、自治体が予算を組んだり基金を作って国からの特別交付税を受け
古代山城とは 飛鳥時代から奈良時代初めに西日本各地に築かれた山城の総称であり、北部九州から瀬戸内海沿いに28城が分布している。 史書に記録の残るものを「朝鮮式山城」、記録のないものを「神籠石系山城」と呼んできたが、単純に史書の記載だけでは区分できない特徴も近年の現地調査では見いだされており、呼称の見直しが検討されている。また、従来、白村江敗戦後の国家防衛のための築城とみなされてきたが、地方統治のための国家事業(=権力の象徴)とする説も出てきている。
野田隼人 Atty. NODA Hayato J.D. @nodahayato フィリピン(人・国・法)に関係する事件と刑事弁護(無罪獲得4件)、企業法務、会社再建、自治体顧問、相続関係などがお仕事。滋賀弁護士会。龍谷大非常勤(刑訴Ⅱ)。京大博士後期(刑訴法)。狩猟(Ⅰ銃)。フィリピン政府観光省公認フィリピン・トラベルマイスター。Pythonista。PnS S120 CAT/INU HQ40F attynoda.com リンク www.google.com Google ドキュメント - オンラインでドキュメントを作成、編集できる無料サービス パソコン、スマートフォン、タブレットのどこからでも新しいドキュメントを作成して、他のユーザーと同時に編集。インターネットに接続していなくても作業を継続でき、Word ファイルも編集できる、Google の無料サービスです。 3 users 395
〇東京大学史料編纂所画像史料解析センター 創立20周年記念公開講演会『画像史料の語る日本史』(1月27日13:00~17:00、弥生講堂一条ホール) 画像史料解析センターの講演会があるという情報が、SNSで流れてきた。東大史料偏差所の史料展覧会には、なるべく行くようにしているのだが、附属施設である画像史料解析センターの公開イベントは、私の記憶にない。参加無料、事前申込み不要だというので、とりあえず行ってみた。40分ずつの4つの講演が組まれていた。 (1)須田牧子:「倭寇図巻」研究の現在 最初の講演は、むかしから気になっている『倭寇図巻』について。史料編纂所が購入した時は「明仇(=明の仇英)十洲台湾奏凱図」という題箋がついていたが、辻善之助が「倭寇図巻」と命名した。不明な点が多かったが、2010年、赤外線撮影によって新たな文字が見つかったことで研究が進展した。同じ頃、中国国家博物館の『抗倭図
昭和後期に開発された、うどんやトースト、ハンバーガーなどの食品を自動調理する「レトロ自販機」だけの店舗が、2014年にオープンしました。メーカーも消滅した2018年のいま、運営できるのは、関係者同士の交流にあるといいます。 修理担当は初期からのお客さん 数少なくなりつつある「レトロ自販機」。ここで言うレトロ自販機とは、うどんやトースト、ハンバーガーなどの食品を自動で調理する販売機をさします。古くからあるオートレストランなどに置かれており、その多くは昭和後期に製造されたものです。 こうした古い自動販売機は、製造メーカーがすでに廃業している場合、機械の修理や維持が困難なため、年々数を減らしています。そうしたなか2014年、レトロ自販機だけを集めた「自販機食堂」(群馬県伊勢崎市)がオープンしました。 自販機食堂の様子(画像:オレンジフード)。 自販機食堂を運営するオレンジフード(群馬県伊勢崎市)
修学旅行や温泉旅行で、誰もが一度は目にするこれ。青い固形燃料。 見覚えあるでしょう? ひとり用鍋を音もなく温め、人間が飲んでしゃべっているうちに静かにその仕事を完遂、気がつけばぐつぐつアツアツの鍋が完成するという、あれです。今では旅館だけなく、居酒屋さんなどの飲食店でも普通に見られるようになりました。 この固形燃料、いつの間にか「そこにあるのが当たり前」的な存在になっていましたが、じっくり観察したことありますか? ろうそくじゃないですよ、芯ないし。サイズによって燃焼時間が変わりますよ、アルミ箔(はく)が巻かれていないものもありますよ。 ……知らないですよね。見たことあるのに、固形燃料のこと、「自然に消える青いの」程度しか知らないですよね。 そこで行ってきました。固形燃料でトップクラスのシェアを誇る株式会社ニチネンを訪れ、固形燃料にまつわるお話をたっぷり聞かせていただきました! いざひも解こ
1月27日、ペルー人のトラック運転手が「キアべの木」として知られるナスカの地上絵を損傷した(写真は2014年に撮影されたもの)。(PHOTOGRAPH BY MARTIN BERNETTI, AFP/GETTY) 逮捕の理由が「文化遺産への攻撃」でなかったら、これほど大きなニュースになることもなかっただろう。 ペルーの世界遺産「ナスカの地上絵」がトラック侵入により損傷し、1月29日、40歳のペルー人トラック運転手ハイネル・ヘスス・フローレス・ビゴが逮捕された。18輪のトレーラーを運転していた彼は、地上絵の上を約50mにわたり走行した。(参考記事:「ナスカ 文明崩壊の謎」) フローレス容疑者は、南北米大陸を貫くパンアメリカンハイウェーを走行していた1月27日の夜、「機械的な問題」が発生したため、貼り出されていた掲示を無視して道を外れざるをえなかったと主張している。アルゼンチンの新聞は、フロー
とても珍しく、そして恐ろしい光景が動画に撮影された。大人のオスのヒョウが若いオスのヒョウを殺した後、それを食べていたのだ。撮影したのは、新婚旅行に出かけていたタナー・ハーベイ氏。米ノーザンコロラド大学の博士課程でヘビの毒について研究しているハーベイ氏は、「まちがいなく、一生に一度しか見られないような出来事です」と話す。(参考記事:「【動画】衝撃、チンパンジーが元ボスを殺し共食い」) 研究で野外に出る機会が多いハーベイ氏だが、2017年12月にタンザニアのセレンゲティ国立公園に向かったのは、完全なプライベートだった。12月30日の夜明け直後、ハーベイ氏と妻のキャシー・ヤン氏は、ライオンの群れを見ようと、ガイドとともにキャンプ場を出発した。 車が岩を回り込んだとき、一行が目にしたのは、木の根元で息を切らしているヒョウだった。大型のネコ科の動物が狩りの直後に見せることが多い行動だ。そしてハーベイ
By Tanya Hart ミュンヘン工科大学とゼンケンベルク自然史協会が共同で進めている研究によると、昆虫が近い将来、激減することが予測されており、生態系全体に大きな影響を与える可能性があるとのこと。現在の絶滅危惧種とされる昆虫はもちろん、身の回りに生息する虫までもが希少種となってしまう可能性が示唆されています。 The disappearance of common species: Insect die-off: Even common species are becoming rare -- ScienceDaily https://www.sciencedaily.com/releases/2018/02/180201085800.htm 学術誌「Biological Conservation」に掲載された研究によると、昆虫の減少は既に始まっており、一部地域では過去数十年で75%
これまで5年間勤務してきた多摩大学の非常勤講師の職を離れることになり、先日最後の講義を終えた(なお、勤務を離れた理由は不祥事とかではない。念のため)。 私はむかし塾講師のバイトをやっていたせいか、講義では小難しい理論を喋るよりも、本来退屈な内容をおもしろく喋ってヤル気のない子をヤル気にさせるほうが得意であり、多摩大では1年生向けの中国語(必修の語学)の担当がいちばん楽しかった。いっぽう、頭を抱えたのが「普通の講義」である。 私たち中国ライターは、日常的に「中国とどう付き合うべきか」といった質問を受けることが多い。なので、講義でもひとまず日中関係史のような内容を喋っていたが、果たして大学教育の水準に見合う話だったのかは現在も悩ましいところだ。 ただ、中国は変化のスピードが速い。5年前の2012年度と現在の2017年度を比べると、似たような講義をしていても学生側に顕著な肌感覚の違いを感じたこと
深海魚を釣っていると、お腹の中に卵をたくさん抱えている雌のサメが釣れることがある。 なんとこの卵、玉子焼きにして食べられるらしい。 とても気になるので実際に試してみた。
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