杉田和博官房副長官(右)は政府の主な政策決定に関わってきた。皇位継承式典事務局の「看板掛け」で、当時の安倍晋三首相(中央)、菅義偉官房長官(左)と並ぶ杉田氏=内閣府で2018年8月1日(代表撮影) 杉田和博官房副長官(79)――。一般にはほとんど知られていない人物が、にわかに注目を集めている。日本学術会議が推薦した新会員候補6人を菅義偉首相が任命しなかった問題の「キーマン」(立憲民主党・蓮舫代表代行)と目されているからだ。杉田氏は官僚機構のトップに君臨し、霞が関全体の人事と情報を握っており、幹部官僚でさえ恐れている。だが、4月から杉田氏を担当している記者(35)が見たのは、それとは違った姿だ。 4日の衆院予算委員会。「最終的に上がってくる段階で報告を聞いたのは杉田副長官です」。菅首相は、学術会議が推薦した新会員候補105人のうち、6人を外して99人を任命する案を持ってきたのは、杉田氏である