壁のまっすぐな線と植物の有機的な線とのコントラスト、そして銀杏の葉がアクセントになった配色が目を引く(写真:村田あやこ) 経年変化によって、質感の異なる青がパッチワーク状に組み合わさる(写真:村田あやこ) 壁や床がつくりだす配色や、フェンスが描く線描、建物が経年変化で生み出す絶妙な風合い。切り取り方や視点の当て方を少し変えると、何気なく通り過ぎていたものの中にハッと心動かされるものが潜んでいるのに気づくことがある。 雨や風といった自然条件、様々な事情による建物の建て替えなどにより、まちの風景は常に新陳代謝を続けている。だからこそまちでは、美術館やギャラリーとは一味違い、偶然が生み出した、今ここでしか見られない「作品」で溢れている。 それらは必ずしも一般的に「美しいもの」「きれいなもの」といったお墨付きを与えられたものばかりではない。それゆえ、自らの視点で見どころを切り取ったり、魅力を言語化