ブックマーク / www.newsweekjapan.jp (760)

  • 失敗学の研究者が見た、日本人の「ゼロリスク」信奉

    <「信者」を減らさないと、日の将来は暗い。東京五輪を機に、チャンスとリスクを議論して判断できる日へと変わるべきだ> 人間は何かを行う前に、「チャンス」と「リスク」を秤(はかり)に掛けて判断する。東京五輪では、選手が国民に感動を与えることがチャンスで、試合場の選手団や観客から新型コロナウイルスが広がるのがリスクである。 しかし、テレビや新聞はリスクだけを報道し、秤に掛けるような議論は進まなかった。結局、時間切れで中止にはならず、IOC(国際オリンピック委員会)にいいように引き込まれて大会は始まった。 五輪開催が失敗だったか成功だったかは、閉会式まで分からなかった。たまたま日の金メダルが予想以上に多かったから、JNNの世論調査では「開催してよかった」「どちらかといえばよかった」と思う人が61%になった。 もしも予想以上に少なかったら、五輪はコロナ第5波の主因として失敗の烙印を押され、自民

    失敗学の研究者が見た、日本人の「ゼロリスク」信奉
  • 中国系スーパーヒーローが活躍するマーベル新作映画が中国当局の気に障った理由

    “Shan-Chi”Fans in China Call Government Decision Not to Release Movie a“Tragedy” <「反中」要素はないはずなのに──巨大市場の興行収入を期待していたマーベルの親会社ディズニーの大誤算> マーベル・スタジオの新作映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』は、北米ではレーバーデーの祝日を含めた9月第1週の週末にオープニング興行収入で歴代トップを記録、快進撃を続けている。 中国系のスーパーヒーロー、シャン・チーの宿命の戦いを描いたこの映画、なぜか中国では検閲当局の許可が一向に下りず、公開の目処が立っていない。スクリーンに炸裂するカンフーアクションを楽しみにしていた中国のマーベルコミック・ファンは、不許可の理由に首を傾げ、不満を募らせている。 主人公のシャン・チーを演じる中国系カナダ人、シム・リウはじめ、この映画ではア

    中国系スーパーヒーローが活躍するマーベル新作映画が中国当局の気に障った理由
  • 日本で「食えている画家」は30~50人だけ 完売画家が考える芸術界の問題点

    <15年以上のキャリアの中で描いた約700枚の絵を完売させ、その作風は唯一無二と評される洋画家の中島健太氏。「『絵描きはえない』を変えたい」という彼はこのたび、『完売画家』(CCCメディアハウス)を上梓した。日の芸術界の現状、業界で生きるために必要なこと、これからの芸術とビジネスの在り方について、赤裸々に綴った書から「はじめに」を抜粋する> ■はじめに 「絵描きはえない」を変えたい――700以上のご縁 書は現役プロ画家の僕が、「日の芸術界(以下、業界)の現状」「業界で生きるために必要なこと」「これからの芸術とビジネスの在り方」についてまとめたものです。 新型コロナウイルス感染症が流行する前、僕は街にキャンバスを持ち出して、外で絵を描くライブペインティングを行っていました。 「プロ画家が絵を描く姿」を一般の人に見てもらい、芸術の敷居を下げるためです。画家のリアルを見せることで、一

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  • ファクトチェックの老舗Snopesの剽窃事件の裏にある問題

    ファクトチェック機関の収入源は限られており、フェイスブックやグーグルはそこに甘い餌を撒いているmillionsjoker-iStock <ファクトチェック老舗Snopesが他社の記事を剽窃していたことを報じた。もっとも信頼できるメディアとみなされてきたので、このニュースはファクトチェック関係者に衝撃を与えた...... > 2021年8月13日にBuzzFeedNewsがファクトチェック老舗Snopesが他社の記事を剽窃していたことを報じた。New York Timesもこの事件を取り上げ、剽窃が60件だったことを伝えた。剽窃を主導していたのは創業者でCEOのDavid Mikkelsonだった。Snopesはファクトチェックの草分けであり、もっとも信頼できるメディアとみなされてきたので、このニュースはファクトチェック関係者に衝撃を与えた。問題となった記事はファクトチェックではなく、同サイ

    ファクトチェックの老舗Snopesの剽窃事件の裏にある問題
  • イベルメクチンの売り上げが米で24倍に、コロナ治療のつもりが救急治療室が満杯に

    コロナにかかった時のためにイベルメクチンを買ったボリビアの男性(5月19日、ボリビアではコロナ治療薬としての処方が認められている) Rodrigo Urzagasti-REUTERS <アメリカでは家畜用の寄生虫駆除薬であるイベルメクチンをコロナ治療薬として勝手に服用し、具合が悪くなって救急車で運び込まれる患者が急増> 米オクラホマ州郊外のある医師によれば、馬用の寄生虫駆除薬に使われるイベルメクチンを新型コロナウイルス感染症の治療薬として過剰摂取した人々が、地元の病院の救急処置室を埋め尽くしているという。 同州東部と南部の複数の救急処置室に勤務しているジェイソン・マクエリエ医師は、地元テレビ局KFOR-TVに対して、「この薬の服用にあたって医師の処方が必要なのには理由がある。場合によっては危険だからだ」と述べた。 イベルメクチンを服用する人が増えている事態に、米品医薬品局(FDA)をはじ

    イベルメクチンの売り上げが米で24倍に、コロナ治療のつもりが救急治療室が満杯に
    taron
    taron 2021/09/04
    馬用ということは、相当小さくしないと過剰摂取になるわな。つーか、それで救急車が出払うってどんだけ。
  • たとえ菅が辞めようと、臨時国会を開かない自民党には政権を任せられない

    一年前に菅義偉を総裁に選び、守ってきたのは自民党だ(2020年9月14日) Kyodo/REUTERS <自民党は安倍政権のときから国会のチェックを受けることから逃げ続け、憲法の義務である臨時国会を開くことも拒んだ。今日のコロナ感染爆発を招いた責任も問わせないまま総選挙に突入する勢いだ> 7月16日、野党4党は憲法53条に基づく臨時国会召集要求を提出した。しかし一ヶ月半たった今も、国会が開かれる気配はない。政府与党はいろいろな理由をつけて臨時国会を先延ばしにしており、そうこうしているうちに9月3日、菅首相は月末に行われる自民党総裁選への不出馬を決めた。これによって自民党は後継者選びに忙しくなり、総選挙までに臨時国会を開こうとはしないだろう。政治空白とともに、事実上の無法政治が行われている。 立憲主義に反する政権 日国憲法では、次のように規定されている。「内閣は、国会の臨時会の召集を決定す

    たとえ菅が辞めようと、臨時国会を開かない自民党には政権を任せられない
    taron
    taron 2021/09/04
    そもそも、裁判所が腰砕けで話にならないんだよな。/憲法違反の行為を党を挙げてやっちゃう自民党に、政権をまかせてはいけないのだが…
  • 「ワクチン反対」の投稿をきっぱりやめ、自身も接種した女性の告白

    妊娠中に見た映像でワクチン嫌いに。勉強したら世界観が変わったが、反ワクチンの仲間からは嫌がらせも> 子供の頃はワクチンに疑問を持つことなどなかった。定期的な予防接種は兄弟も私もきちんと受けた。「反ワクチン派」の存在も、25歳になるまで知らなかった。 あれは娘を妊娠中の2016年のこと。夫と私は予防接種反対のドキュメンタリー映像を見つけた。全部で9時間もあったけれど、最後まで見た。そして心を入れ替えた。この世のあらゆる問題の元凶はワクチンだと、その映像は言っていた。だから私は、生まれてくる子には絶対にワクチンを受けさせないと、固く固く決心した。 娘が1歳半になった頃、私は思い切って自分のワクチン観をフェイスブックに投稿した。すると反ワクチン派の人からすごい反響があって、たちまち多くの人にシェアされた。私、全くワクチンの専門家じゃないのに。 そして昨年2月。私は改めて自分の考えを投稿した。自

    「ワクチン反対」の投稿をきっぱりやめ、自身も接種した女性の告白
  • 「社会は変えられない」と思い込む日本人に必要な主権者教育

    <社会に関与して変えられると考える日の若者の割合は、他の先進国と比較すると格段に低い> 社会は静態的なものではなく常に変化する。事実、日社会は時代と共に大きく変わってきた。19世紀の半ばに明治維新で封建社会から近代社会に移行し、20世紀半ばには敗戦を経て人権を尊重する国民主権の民主社会となった。 ただ日の場合、欧米と違って外圧によって社会の変化がもたらされてきた。そういう経緯があってか、日人は「社会を変えよう」という意識が薄い。とくに若者はそうで、主権者教育の充実が必要と言われる。 内閣府の国際意識調査では、13~29歳の若者に「私の参加により、変えてほしい社会現象が変えられるかもしれない」という項目を提示し、どう思うかと尋ねている。「そう思う」ないしは「どちらかと言えばそう思う」と答えた人の率をグラフにすると、<図1>のようになる。 日は他国と比して格段に低い。社会状況が似てい

    「社会は変えられない」と思い込む日本人に必要な主権者教育
  • まるで敗戦直後の日本軍を奪い合う中共軍──米大使館存続望むタリバン

    アフガニスタンからの避難民を乗せてきた飛行機(8月27日、フランクフルト) Kai Pfaffenbach-REUTERS 敵として戦った米軍に対し、今タリバンはその大使館存続を望み、トルコには空港管理を依頼している。それは日投降後の中国で、中共軍が日軍人の技術を奪い合ったことを想起させる。空軍力が欠如していたことも共通している。 タリバンがアフガニスタンのアメリカ大使館存続を望むと表明 アメリカ国務省のプライス報道官は8月27日、タリバンがアメリカ政府に対して、8月末の駐留米軍の撤退期限後もアフガニスタンにあるアメリカ大使館の存続を望むと明確に示したと明らかにした。ロイター電や共同通信などが伝えている。 ロイター電はさらに、プライス報道官が「アメリカはアフガニスタンの人々に対する人道支援を継続する」と表明し、「ただタリバンの財源にならないようにする」とも述べたと報道している。 アメリ

    まるで敗戦直後の日本軍を奪い合う中共軍──米大使館存続望むタリバン
  • アメリカ政治・社会の価値観の理解に欠かせない、レーガンのレガシー

    レーガンは時代を味方に付け、過去半世紀で最も成功した大統領となった MICHAEL EVANSーTHE WHITE HOUSE/GETTY IMAGES <今年2月、生誕から110周年を迎えたロナルド・レーガンは底抜けの楽観主義だった。その存在は今も米国に影響を与えている> ロナルド・レーガンは、物語を披露することが大好きだった。2004年に亡くなったが、大統領時代にプロテスタントの聖職者の集会で挨拶をしたときのこと。レーガンは、同じ日に死んだ聖職者と政治家についての話をした。 2人は天国の入り口で門番のペテロに出迎えられた。ペテロは天国のルールを説明し、2人をそれぞれの住む家に案内した。聖職者の家は、1部屋にベッドとテーブルと椅子があるだけ。政治家の家は、立派な家具がそろった巨大な邸宅だった。 政治家は感謝しつつも戸惑いを隠せなかった。「どうして私はこんなに素晴らしい家を与えられたのに、

    アメリカ政治・社会の価値観の理解に欠かせない、レーガンのレガシー
  • 日本のお粗末なコロナ対策の犯人は誰なのか

    <政府が悪いと言いたくなるがそれは思考停止。どこがどう悪いのかを知り改善できることを検討せよ> 新型コロナ禍での東京パラリンピックが始まった。外国の選手や役員に感染が続発したら病床を確保できるのか? その時の通訳はどうする? ボランティアに生命の危険を冒させるのか──。 思考が麻痺、あるいはIPC(国際パラリンピック委員会)にろくにものを言えないから、危ないと分かっていてもそのまま突っ込む神風パラリンピック。「政府が悪い」と言いたくなるのだが、それもまた別の形の思考麻痺だ。 民主主義の歴史が浅い日では政府と言えば「お上」か「敵」かの両極端で、自分たちがつくったもの・使うものという意識が足りない。コロナ対策についても、政府のどこがどう悪いのかを調べないと問題の解決にはつながらない。 まず、政府のやることはどうしてこんなにのろく、生ぬるいのか。政府、つまり各省庁の手は、大きく言って法律と予算

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  • タリバンを野蛮と切り捨てる危うさ

    <女性抑圧や手を切り落とす刑罰などおぞましい因習をもつタリバンを、人々はなぜアメリカより支持するのか> アメリカ軍やその他のNATO軍が撤退作戦を進める中、ターリバーンの攻勢によってアフガニスタン政府軍は崩壊。8月15日には首都カブールが陥落し、アフガニスタンは事実上、ターリバーンが政権を握る国家となった。 この「政権交代」に伴い、旧政府軍やアメリカ軍に協力した者たちに対する過酷な報復が危惧されている。首都陥落前、カブール空港は亡命を求める市民でごった返した。さらに心配されているのは、イスラーム法を厳格適用しようとするターリバーンの復活によって、基的人権が抑圧されてしまうことだ。特に心配されているのが女性の人権だ。 ターリバーンによる女性の権利の侵害 かつてのターリバーン政権では、女性の就労・教育をはじめとする様々な権利が抑圧されていた。現ターリバーンのスポークスマンは、女性の教育は保証

    タリバンを野蛮と切り捨てる危うさ
  • カブール自爆テロ、ISIS-Kとは何者か

    アフガニスタンの山岳地帯でタリバンに対抗する勢力として台頭したISIS(2015年当時の名称はISIL)は、人質の首を切断するなどの暴力で恐れられた Al Jazeera English-YouTube <世界を震え上がらせたあの残忍なISISが戻ってきたのか? 目的は何か?> 8月26日、アフガニスタンの首都カブールの空港付近で2回の爆発があり、米軍の兵士13人とアフガニスタン人少なくとも60人が死亡。米兵18人を含め多数が負傷した。爆発に先立ち複数の国が、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS、自称イスラム国」系の武装勢力によるテロ攻撃の可能性があると警告していた。 米軍の撤退期限を8月31日に控え、アメリカは自国民やアフガニスタン人協力者などの大規模な国外退避作戦を展開している。こうしたなか起きた今回の爆発について、アントニー・ブリンケン米国務長官は記者団に、「ISIS-K

    カブール自爆テロ、ISIS-Kとは何者か
  • 中国の衛星が3月に軌道上で突然分解......その理由がようやくわかった

    中国の気象衛星「雲海1号02」が、2021年3月18日に分解した。ロシアの偵察衛星から放出されたスペースデブリと衝突した可能性がある...... > 2019年9月25日に酒泉衛星発射センターから打ち上げられ、高度760〜787キロの軌道を周回していた中国の気象衛星「雲海1号02」が、2021年3月18日7時41分(協定世界時)に分解(ブレイクアップ)した。 米国宇宙軍第18宇宙管制飛行隊(18SPCS)は、3月22日、この事象をツイッターで公表し、「『雲海1号02』の分解に関連するスペースデブリ(宇宙ゴミ)21個を追跡して、原因究明にあたっている」と報告した。 衝突によって発生した37個のデブリを確認 米国宇宙軍のオンラインカタログ「スペース-トラック」では、スペースデブリの観測データが登録されている。米ハーバード・スミソニアン天体物理学センターの天体物理学者ジョナサン・マクダウェル博

    中国の衛星が3月に軌道上で突然分解......その理由がようやくわかった
  • なぜトランプは根強く支持されるのか──歴史観と人種問題に見るバイデンとの対立

    「左派がアメリカの物語を歪めてきた」とトランプは訴える(2月28日、フロリダ州オーランド) Joe Skipper-REUTERS <人種や属性を理由とした機会不平等の是正を誓うバイデンと、「白人・キリスト教徒のアメリカの物語」に固執するトランプ文化戦争トランプ前大統領の動静は、いまだに注目の的である。 彼に対する評価は、いまだに真っ二つに割れている。 トランプ氏を過去の人間と思わせるのに十分な世論調査の数字や報道もあれば、全く逆で、共和党内だけではなく一般社会でも根強い支持を示す調査や報道もある。これほど世論調査があてにならない事態も、そうそうあるものではない。 一般の日人から見ると、とても信じられないような感じがする。トランプ支持者は、連邦議会議事堂を暴力で襲撃さえした。中には、カルト集団のような人たちも加わっている。もちろん、彼らは支持者のごく一部ではあるが。 なぜこれほどト

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  • なぜEUは中国に厳しくなったのか【前編】米マグニツキー法とロシアとの関係

    G7開催中の6月13日、セント・アイブスでデモ隊が抗議行動 Peter Nicholls-REUTERS 6月13日、イギリスのコーンウォールでG7サミットが閉幕した。そこでの成果をまとめた首脳宣言で、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調したほか、新疆ウイグル自治区や香港情勢などで、人権や基的自由を尊重するよう求めた。 G7には、全参加者9人のうち、5人を欧州連合(EU)の人が占めている(ブレグジット前は、9人中6人だった)。 国の代表としてマクロン仏大統領、メルケル独首相、そしてドラギ伊首相。それだけではなく、EUの欧州委員会委員長であるデアライエン氏、欧州理事会議長(大統領と呼ばれる)のミシェル氏も参加している。 G7の意志が、完全にEUの意志と一致するわけではないが(加盟国は27カ国あるので)、だいたい同じようなものと思っていいだろう。 中国は猛反発した。外務省の趙立堅報道官は15日

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  • タリバンはなぜ首都を奪還できたのか? 多くのアフガン人に「違和感なく」支持される現実

    <米軍撤退や避難民の報道が代弁していないアフガニスタン──タリバンが支持され、政権奪取できた理由はそこにある> タリバンは、アフガニスタンの首都カブールに無血入城、約20年ぶりに政権を奪還した。 多くの人々が「タリバンはイスラム過激主義者で、テロリスト」と思っているようだ。これから恐怖政治が敷かれるようなイメージを抱いている人もいる。 確かに、タリバンは以前は過激派だった。1996年から2001年の約6年間だけ政権の座についていたが、彼らの政策は、過激なイスラム原理主義に基づくものだった。 バーミヤンの仏像を破壊したのも、このころだ。特に女性には極度に抑圧的で、ブルカ(目以外は全身をベールで覆う服装)の着用を義務付け、女性の就労を認めないほどだった。 この政権を承認したのは、わずかにパキスタン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦のたった3カ国だった(トルクメニスタンは確認中)。 しかし、それ

    タリバンはなぜ首都を奪還できたのか? 多くのアフガン人に「違和感なく」支持される現実
  • 「オーストラリアが感染ゼロ戦略を断念」という話の真相

    ロックダウン中は、一部の公園の遊具が閉鎖されるところも… (Credit:Thurtell-iStock) 『豪首相、「感染ゼロ戦略」を断念』という見出しの日語記事が出たことで、Twitterを中心にSNSでは、オーストラリアはゼロ戦略を諦めた...という話題でもちきりになった。 記事にはこうある。 オーストラリアのモリソン首相は22日、厳格な国境封鎖やロックダウン(都市封鎖)によって新型コロナウイルスの「市中感染ゼロ」を目指す戦略を断念したことを認めた。・・(略) 「都市封鎖を永遠に続けることはできない。どこかの段階でギアチェンジをする必要がある」と述べた。・・(略) この記事の内容だけだと、オーストラリアの国内事情を説明しておらず、一足飛びに「もう感染者数にはこだわらず、感染蔓延していてもロックダウンはせずに、ウィズコロナに方針転換する」かのような印象を受ける。そのため、「オーストラ

    「オーストラリアが感染ゼロ戦略を断念」という話の真相
  • 何が悪かったのか:アフガニスタン政権瓦解を生んだ国際社会の失敗

    <大国の軍事力に代わる有効な「人道的介入」の方策を、国際社会が確立することは結局できなかった> 8月15日、ターリバーンがカーブルを制圧し、アフガニスタンの権力掌握を果たした。バイデン米大統領が米軍を全面撤退させると宣言した期限の9月11日より1カ月近くも早い、カーブル陥落である。これで、2001年のアフガニスタン戦争でターリバーンを追放して以来米国が支えてきたアフガニスタン政権は、露と消えた。 この20年間にアフガニスタンで命を落とした米兵は2452人、英やカナダ、ドイツなどNATO加盟国の犠牲者を含めると3596人にもなるが、アフガニスタン人側の死者数は政府軍・民間人が10万人強、ターリバーンなど反米派側の被害も5万人を超える。米政権が費やした戦費は3兆ドルともいわれ、今年3月までにアフガニスタンの治安部門の再建計画に費やされた資金は8830億ドルとされている。この膨大な人的、資金的コ

    何が悪かったのか:アフガニスタン政権瓦解を生んだ国際社会の失敗
  • 新型コロナ根絶は理論的に可能...集団免疫なくとも NZ研究

    <天然痘の根絶よりも難しいが決して不可能ではない、と研究チームは分析している> 長期化する新型コロナだが、根絶を諦めるのはまだ早いようだ。ニュージーランドの研究チームがこのたび、コロナ根絶は難しい試みではあるが不可能ではないとの試算結果を発表した。 研究チームは根絶の可能性を評価するため、17の指標を評価項目として取り上げ、それぞれを3点満点で評価した。指標は、ワクチンの入手可能性や長期的な免疫の実現性、公衆衛生対策による影響などの疫学的要因から、政治上のメッセージと国民の関心など、社会的要因までを含む。 結果、新型コロナウイルス根絶の可能性を示す平均スコアは1.6となり、ポリオ(急性灰白髄炎、あるいは小児麻痺とも呼ばれる)よりも撲滅の可能性がやや高いことが判明した。これを受けて研究チームは、新型コロナの根絶は不可能ではないとの見解を示している。 研究はオタゴ大学ウェリントン校のニック・

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