「チベット問題が、国際社会において大問題として認知されているのに比べて、われわれウイグル人の問題はほとんど知られていません」 先週、チベット亡命政府のロブサン・センゲ首相ともに、東京で開催されたシンポジウムに出席した、世界ウイグル会議(亡命ウイグル人組織、本部ミュンヘン)事務総長のドルクン・エイサ氏はこう訴えた。 チベットで、三十余名もの焼身抗議が起きたことは、私自身、本コラムでも幾度も伝えてきた。が、同時に、チベットの北に位置するウイグル地域(現在の新疆ウイグル自治区)で起きてきた、ウイグル人に関する事件については本コラムでもほとんど話題に上ることはなかった。 ところが、そのウイグル情勢に今後大きな影響を与えるか、と思われる国際ニュースが昨日来、続けて伝わってきている。ひとつは、インドとパキスタンの歴史的和解のニュース、もうひとつはトルコのエルドアン首相の新疆ウイグル自治区訪問のニュース