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住宅関連のスタートアップ(新興企業)「セレンディクス」(兵庫県西宮市)は8月、3Dプリンターで造った住宅の販売を始める。3月に愛知県で建てた1棟目の物件を、世界26カ国で、新聞や雑誌、テレビなど60以上のメディアが取り上げるなど、注目度は高い。価格は300万円、24時間以内の短時間で施工できるのが特長だ。同社の飯田国大最高執行責任者(COO)(49)は「車を買う値段で家を提供したい」と意気込む。 同社は、神戸市出身で電気自動車メーカーGLM(京都市)を創業した経験を持つ小間裕康最高経営責任者(CEO)(44)=香港在住=と、東南アジアで高級コンドミニアムの開発を手がけていた飯田氏が「世界最先端の家をつくろう」と、2018年に設立した。資本金5千万円、従業員は9人。住宅や不動産会社など、国内の約110社が協力している。 今回建てた住宅は、高さ約4メートル、直径約3メートルの球体に近い形状で、
丸山健夫教授が国立公文書館で入手した阪神電鉄甲子園口駅の設計図。上が南になる。中央左に「乗降場」の文字があり、上下に走る太い白線は線路。右側に省線の「甲子園口駅」の文字も見える(同教授提供) 太平洋戦争末期、省線(現JR)甲子園口駅(兵庫県西宮市)の乗換駅として、阪神電鉄が隣接地に「甲子園口駅(停留場)」を建設する計画があったことが、武庫川女子大学(同市)の丸山健夫教授(65)の調査で明らかになった。主に軍需工場に人を運ぶ目的で着工もされたが、未完のまま終戦を迎えたとみられる。新駅の計画は同社に資料がなく、社史にも記載されないまま歴史に埋もれていたが、当時の国への提出資料から“発掘”された。駅の設計図なども見つかっている。(伊丹昭史) JR甲子園口駅南東の線路沿いに、2階建てのように見える駐輪場がある。だが下半分は土台だけで、駐輪スペースは階段などを上がった上段のみだ。丸山教授によると、こ
新長田に移転する神戸国際コミュニティセンターのイメージ。気軽に立ち寄れる施設を目指すという(同センター提供) 神戸に住む外国人への支援を充実させるため、日本語教室や外国人の生活相談、国際交流などに取り組む神戸国際コミュニティセンター(KICC)が10月、本部拠点を三宮から同市長田区腕塚町5のアスタくにづか1番館南棟1、4階に移転する。併せて三宮と御影には、日本語学習の支援拠点も新設する。(長谷部崇) KICCは1993年7月に設立。神戸商工貿易センタービル(同市中央区浜辺通5)の2階を拠点とし、2019年度は延べ約2万3千人が利用した。 市内在住の外国人は15年以降、年1200~1400人台のペースで増え続け、20年3月には過去最高となる4万9110人を記録。うち東灘、灘、中央、兵庫、長田の同市5区が4分の3を占める。コロナ禍による入国制限で、21年3月は約900人減ったが、以前より外国人
「かんなみ新地」と呼ばれる兵庫県尼崎市神田南通3の風俗街に対し、尼崎市と尼崎南署が風営法に基づく警告をしたことが、関係者らへの取材で分かった。いわゆる遊郭として約70年前に営業が始まったとされ、警告が出されるのは初めて。一帯の31店は一斉に閉店したが、機を見て再開する可能性もあるとみて市や兵庫県警は注視している。 風俗街は「三和本通商店街」西側の数十メートル四方に置き屋が連なる。遊郭は1958(昭和33)年の売春防止法の完全施行で廃止されたが、「かんなみ新地組合」に加盟する店舗が風俗営業の許可を得ず、飲食店の名目で売春営業を続けてきたとされる。関西では大阪市西成区の「飛田新地」に並び、遊郭の面影を残すスポットとして知られる。 関係者によると、警告文は1日付で、市長と署長名で出された。飲食店の形態をとりながら、実態は女性従業員による性的サービスの提供を専門としていると指摘した上で「違法な営業
阪急電鉄神戸線の西宮北口(兵庫県西宮市)-武庫之荘(尼崎市)駅間で設置が検討されている武庫川新駅(仮称)について、西宮市と尼崎市、兵庫県、阪急電鉄でつくる検討会は3日、事業の具体化に向けた検討に入ることで4者が合意したと発表した。財政難から消極的だった尼崎市が「一定の投資効果が見込める」と姿勢を転換。地元の強い要望がある西宮市は「実現への大きな一歩」としている。 両駅間は3・3キロメートルで、新駅は武庫川にかかる橋上を想定。市境は川の中央にあり、2013年から4者が検討会を重ねてきた。 3日公表された報告書によると、事業費は駅舎や駐輪場に約55億円、周辺道路整備に約5億円の計約60億円規模の見通し。負担割合は、国から3分の1の補助金を得られれば、残り3分の2を両市と阪急で折半することになると見込んだ。 公表済みの試算によると、開業すれば半径1キロ圏内の人口は両市とも千人近く増え、年間税収も
INAC神戸との契約を更新した田中(左から2人目)、中島(左端)、杉田(右端)。鮫島(右から2人目)は大宮への移籍が決まった=2020年12月12日、三木市、三木総合防災公園陸上競技場 9月に開幕するサッカー女子のプロリーグ「WEリーグ」に参入するINAC神戸は13日、日本代表「なでしこジャパン」の常連、FW田中美南(26)とMF杉田妃和(23)、生え抜き13年目のFW高瀬愛実(30)とMF中島依美(30)ら16人と契約を更新したと発表した。 一方で、今オフは例年以上に各クラブ間で移籍が活発に行われ、INAC神戸は昨季所属(下部登録は除く)26人中、引退なども含め10人が退団した。日本代表のエース岩渕真奈(27)はイングランド・スーパーリーグのアストンビラへ。昨年11月の代表候補合宿のメンバーでは、DF鮫島彩(33)、GKスタンボー華(22)が女子日本代表前監督の佐々木則夫氏が総監督を務め
新型コロナウイルス感染拡大による外食離れや外出自粛で、老舗の飲食店などが廃業に追い込まれている。影響は全国チェーンだけでなく兵庫県内にも及び、長年親しまれたりランドマークだったりした店が次々に姿を消し、街の景色も変わりつつある。(末永陽子) 3月から休業し、6月末に閉店した神戸市中央区のそば屋「銀杏(いちょう)庵(あん)」。川上すみ子さん(83)、雅也さん(56)親子=同市兵庫区=が、1980年から営んできた。昆布やかつお節などで取っただしと自家製麺が自慢。特に天ぷらそばが人気で、県外のファンや親子2代で通う常連客もいた。 しかしコロナの影響で3月に入ってから客足がパタリと途絶えたため、当初は3月末までの休業を決意。22席の狭い店内で、「密」を回避する方法は思い付かなかった。 4月には政府の緊急事態宣言が出され、5月になっても再開のめどは立たなかった。収入ゼロの状態に家賃が重くのしかかり、
飲食を伴う花見の自粛が要請され閑散とする世界文化遺産・国宝姫路城=2日午後、姫路市本町(撮影・小林良多) 兵庫県新温泉町、湯村温泉街で江戸時代から続く老舗旅館「とみや」が3月末で廃業を決めた。業績不振に新型コロナウイルスの感染拡大による宿泊客減が追い打ちを掛けた。県内の温泉旅館も軒並みキャンセルで、新たな予約が入らない。世界文化遺産・国宝姫路城の3月の入城者数は前年から8割減。観光業への打撃は底が知れない様相となっている。 代理人弁護士によると、「とみや」は江戸時代後期ごろに創業し、1953年に法人化。約30室とこじんまりしているが、山麓の高台で、自家源泉の展望風呂が人気だった。 しかし、景気の冷え込みや価格競争の激化で業績は悪化。感染拡大はだめ押しだった。 同旅館は「4月の見込みは例年の1割程度。従業員に給与が支払えるうちに破産手続きを決めた」という。弁護士は「国の融資も検討したが、見通
神戸の文具専門店ナガサワ文具センターのさんちか店が閉店することがわかりました。神戸の地下街「さんちか」が開業した1965年10月と同時にオープンした同店は3月27日、54年の歴史に幕を閉じます。本店(三宮センター街ジュンク堂書店三宮店3階)や神戸煉瓦倉庫店(神戸ハーバーランド)、プレンティ店(西神中央)など他の店舗は引き続き営業します。 同社は、公式ホームページ内でさんちか店閉店のメッセージ動画を公開。動画のタイトルは「santica店 長年のご愛顧ありがとうございました」。インスタグラムで人気のレタリング作家bechori(ベチョリ)さんが、同社オリジナルインク「Kobe INK物語」(2019年9月現在74色)の中から「さんちかポートブルー」と「王子チェリー」の2色を使用し、メッセージを書き上げます。動画は大写しにされたペン先だけを追ったもの。最後のシーンでメッセージの全容がわかる演出
「表現の自由」を問う企画展が脅迫により中止された国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」(愛知県で開催中)の芸術監督・津田大介さんを招き、神戸市内で18日に開催予定だったシンポジウムについて、同市の外郭団体など主催側は9日、中止すると発表した。津田さんの登壇に関し、市などに8日までに抗議や問い合わせの電話が約100件寄せられていた。「現在の状況では本来の趣旨に沿って開催できないため」などとしている。 「あいち-」は1日に開幕。中止に追い込まれた企画展「表現の不自由展・その後」は、従軍慰安婦を象徴した少女像など、国内の他展で撤去や公開中止となった作品を集めて展示。「ガソリン携行缶を持っておじゃまする」と書かれたファクスが届くなどの脅迫を受け、開幕3日で中止となった。 神戸のシンポは、神戸市兵庫、長田区を舞台に9~11月に開かれる現代美術の祭典「アート・プロジェクトKOBE2019 TRAN
単位不足の学生の対外試合を制限する制度について説明する関学大の村田治学長(左)と冨田宏治副学長=25日午後、東京都千代田区 関西学院大(兵庫県西宮市)は25日、体育会運動部に所属する学生を対象に、取得単位数などが規定に満たなければ対外試合などへの出場を禁止する制度を設けると発表した。スポーツ庁などによると、同様の制度は早稲田大(東京)が導入しているが、全国でも珍しいという。ともすると学業より部活動が優先されがちな学生スポーツ界に一石を投じる取り組みとして注目されそうだ。(大盛周平) 全国制覇の実績があるアメリカンフットボール部やサッカー部など全42部が対象で、来年春の新入生から適用。自主的に部員の学業成績に応じて試合への出場可否を決めている部もあるが、全学で統一基準を設ける。学生個人とも入学時に合意書を交わすという。 新制度では、4年に4~8回、取得単位数に応じて「出場資格あり」「条件付き
ポーランド戦終盤で西野ジャパンが実行した時間稼ぎのパス回し。現役最年長のサッカージャーナリストで、W杯10大会を現地で取材した賀川浩さん(93)=神戸市東灘区=は「2点目を入れられたら元も子もない状況。ルールにのっとっているし、勝ち上がるために戦っているわけだから当然のこと」と支持した。 消極的な戦術として国内にも批判的な声があることに対しては「あそこで攻めて日本が敗退してしまったとして、世間は『正々堂々と戦った』と万歳してくれたのか」と疑問を呈した。 今大会、賀川さんはロシアに行かず、自宅でテレビ観戦している。1次リーグ3試合の西野朗監督の采配を振り返り、「当たっているから文句なし。勝ち運を持った監督」と評価する。 また、選手の平均年齢が高く「おっさんジャパン」とやゆされたが、賀川さんは「これまでとは選手層の厚みが違う。サッカーは経験が物を言う競技。想定外の事態がいくらでも起こる中で、個
3月上旬から中旬に開花する桜「雛八丈(ひなはちじょう)」が、兵庫県西宮市甲子園六番町の八ツ松公園で見頃を迎えている。約20年前から大切に育ててきた長畑純雄さん(84)=甲子園六番町=は「桜でパッと明るくなってもらいたい」と思いを込める。 雛八丈の花びらは濃淡のあるピンク色。浜松市の「はままつフラワーパーク」で初代園長を務めた古里和夫さんが2種の桜を交配して作り、20年ほど前、交流のあった西宮市北山町の植物生産研究センターに1本を寄贈した。 センターでは一時、約20本まで苗木を増やし、同市が市内の鳴尾地区を中心に配布。長畑さんも1997年に受け取り、10年間自宅で育てた後、市の許可を得て八ツ松公園に植え、世話を続けている。 一足早い満開の桜の下、地域の人が集まって写真を撮ったり、花を眺めたり。長畑さんも「見事や」と満足そう。 市環境学習都市推進課の藤原隆之さん(50)によると、雛八丈は現在、
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