オリバー・ストーン監督、批判と皮肉の矛先はトランプ政権にまで…米国家安全保障局(NSA)の職員だった1人の青年が行った、米政府による国際的な監視プログラムの存在の内部告発。世界中を震撼させたこの事件を、オリバー・ストーン監督が取り上げるのは必然だったかもしれない。その人、エドワード・スノーデンと何度も意見を交わし、本人の視点から描く人間ドラマとして問題提起をしたのが「スノーデン」だ。批判と皮肉を交えた舌鋒は相変わらず鋭く、熱弁は誕生したばかりのトランプ政権にまで及んだ。(取材・文・写真/鈴木元) 2013年6月、その衝撃は香港のホテルの1室からもたらされた。米政府が秘密裏に行っていた最高機密の構築に関わっていたスノーデンの告発を、英ガーディアン紙がスクープ。ストーン監督も快哉を叫んだ1人だが、すぐに映画化という思いに至ったわけではない。 「彼の告発は一市民としてとてもポジティブに受け止めた