フグと同じ猛毒のテトロドトキシンを持ち、主に西太平洋の熱帯・亜熱帯の海に生息するヒョウモンダコが今年2月と3月、三重県南部の熊野灘沿岸で相次いで見つかっていたことがわかった。 寒い時期にこの地方で見つかるのは珍しく、専門家は「温暖化による海水温の上昇で、生息場所が北上しているのではないか」と指摘している。 ヒョウモンダコは、三重県水産研究所(志摩市)の職員が2月16日、大紀町沿岸の水深約10メートルの海底で発見した。3月7日にも志摩市浜島町の水深約7メートルの岩場に生息しているのを見つけ、採取した。いずれも体長約10センチの成体だった。 ヒョウモンダコの唾液にはテトロドトキシンが含まれ、かまれると嘔吐(おうと)やしびれ、けいれんなどの症状が出る。 オーストラリアでは死亡例もあるといい、同研究所では「見つけても絶対に素手で触らないで」と注意を呼びかけている。