ザリガニが自ら歩きだすとき、ある種の「意志」を持って行動していることを示す神経活動が起きることを北海道大の加賀谷勝史学術研究員(行動生理学)が解析した。動作の原理を明らかにしていくことで「将来は自分の意志で想定外の事態に対応できるロボットへの応用もできるかもしれない」と期待している。 米誌サイエンスに4月までに発表した論文などによると、ザリガニが“自発的”に歩きだす場合、1~2秒前から頭部にある約3ミリ四方の脳から胸部に向かう神経細胞の中で「運動準備電位」という信号が出ていることが分かった。 加賀谷さんは、ザリガニも人間と同様、神経細胞同士の情報伝達をするシナプスでつながったネットワークがあり、自発的な活動を促しているとみている。「動物の多様な行動メカニズムをさらに解明していきたい」と話している。