(第133号、通巻153号) 前回の「形容詞+です」は出張先のホテルで書いたので電子辞書など2、3の参考文献にしか当たることができなかったが、横浜の自宅に戻ってから改めて調べてみると、「形容詞+です」に対する認識は辞書によって相当大きな違いがあることが分かった。 『広辞苑』の扱いについては前回も簡単に触れたが、『三省堂国語辞典』第6版は新語の収録に重点を置き過ぎているせいか、「です」についての説明はわずか4行で済ましている。「断定『だ』の丁寧語。『そうです・いいでしょう』(『であります』は、より丁寧でかたい言い方。『でございます』は、ひじょうに丁寧な言い方)」とあるだけだ。 同じ三省堂の辞書でも中型の『大辞林』第3版になると、語義を一通り説明した後、「語感」にまで踏み込んで以下のように記述している。 [ 形容詞の終止形に付く「楽しいです」「おもしろいです」は現在かなり広がっているが、多少ぎ