幼い頃に両親が離婚、同性カップルに育てられた 2019年12月、「フィンランドで34歳の女性首相誕生」というニュースが世界を駆け巡った。新しい首相の名はサンナ・マリン。当時、世界最年少の首相で、女性。彼女の人となりを報じるべく、数百件ものインタビューリクエストが殺到した。 彼女の政治家としての経歴を語る前に、まずはその生い立ちを簡単に紹介したい。1985年に首都ヘルシンキで生まれ、幼い頃に父親のアルコール問題で両親が離婚。その後父親との交流はほとんどなく、母は同性のパートナーと一緒になり、地方都市タンペレ近郊の公営賃貸住宅に3人で移った。 マリンはいわゆる「レインボーファミリー」(子どもがいる同性カップル)の出身だ。母親は幼い頃、養護施設で育った経験を持っており、高等教育を受けたことはなく、様々な仕事を転々としていた。失業していた時期もあり、決して経済的に豊かな家庭ではなかったという。親戚