「3カ月でもまだ遅い。1カ月で新しいシステムを作ってほしい」──。こうした短納期開発の要求が,近年ますます厳しくなっている。「通信業界や金融業界をはじめとして,システム開発のスピードを上げることが,企業の死活問題になってきた」と,アクセンチュアの小野沢博文氏(シニア・マネジャー)は指摘する。 そんななか注目を集めているのが「SOA」(Service Oriented Architecture)というシステム設計の考え方と,今回取り上げる「ESB(Enterprise Service Bus)」だ。ESBを一言で表せば「SOAの実現に必要な,システム同士をつなぐ基盤」である。そのためESBを理解するには,SOAとは何かを押さえておく必要がある。まずは,SOAについて簡単に説明しよう。 システム同士を疎結合させるSOA SOAでは,企業の各システムが備える機能ごとに,Webサービスなどの標準化