多重下請けのピラミッド構造を前提とした現行のSI(システムインテグレーション)モデルは、もう限界点に達している。2015年問題は、急激な技術者不足とその後の人余りにより、この構造に属する業界の各社に大きな苦難を強いる。 だが日本流のSIビジネスを構築する過程で日本のIT業界では、大手IT企業ですら営業利益率が6.7%と低く抑えられてしまった(図1)。最大手のNTTデータは2013年度上期に、SIの不採算案件のため250億円の損失を被った。一括受託を前提にIT企業がプロジェクト失敗のリスクを負うSIビジネスでは、そのリスクが大きな変動要因として効いてくる。各社はリスク管理と収益確保に向けた対策を打ち出しているが、元請けの企業ですら利益を出すのに苦心している。まして競合がひしめく2次請け、3次請けが利益を出すのはさらに困難になる。