子どもたちはいつも揺れています、まるで、大人たちの揺れをそのまま受け止めるかのように。そんな子どもたちに「悪」が芽生えたとき、真っ先に見つめなくてはならないのは、私たち大人の内面かもしれません。 Contents. 悪意のない盗み 無言のやさしさ 大人が試される 悪意のない盗み ガムを盗んだことがあります。 小学校2年生の冬休み。 雨の日でした。 家の向かいに小さな雑貨屋があって、 前の日に挨拶を交わした店のおばさんの 「明日の朝、新発売のガムを並べるからね」 の一言が頭から離れなかったのです。 朝。 店のシャッターが開く音を確認し、 私は父の黒いブカブカの長靴を履き、店をめざしました。 お金のことなど頭になく 大好きなマンガの主人公が包装紙となったガムを 誰より早く見たかったのです。 母は狭い和室で洋裁の内職に励んでいました。 外に出ると 大きな長靴に雨水が入り込み、 母が編んでくれた緑
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