大学院の博士課程修了者(年間約一万六千人)の半数近くが就職できず、「高学歴難民」などと呼ばれ社会問題化しています。研究者をめざして短期契約の非常勤研究員「ポストドクター」(ポスドク)や大学の非常勤講師に就いても、その後の雇用確保が困難で閉そく感さえ生まれています。日本の学術研究と社会の将来にかかわる問題です。二月二日に、その解決の展望を考えるシンポジウム(主催・日本共産党学術・文化委員会)が開かれます。(三木利博) 物理系の博士号を二年前に取得した男性(33)は現在、二年の任期で大学のポスドクに就いて研究生活を送っています。任期は来年秋まで。業績次第では一年延ばすことができるといいます。「大学側から、来年度の若手研究者の財源が確保されているわけではないと言われ、四月からの生活に不安を感じますが、真に受けないことにしています。そうしないと精神的に参るから」と話します。 じっくり研究したいのに