2011年04月13日 [記事翻訳]原発ジプシー 放射能汚染の危険を冒して臨時雇用を求めた日本の労働者 (HIROKO TABUCHI) 加須市 − 福島第一原子力発電所で激しい揺れが起きたとき、イシザワ・マサユキはほとんど立っていられなかった。ヘルメットを手に持って、彼は従業員控え室から、自分とその他の労働者たちが修理作業をしていた第三原子炉の外に走って出た。彼には煙突とクレーンが海草のように揺れているのが見えた。誰もがパニック状態で叫んでいた、と彼は思い出して話す。 イシザワ氏(55歳)は原発の中央玄関に急いだ。しかし守衛が彼を発電所外に出させなかった。玄関には長い車列ができており、クラクションを鳴らしたてるドライバーもいた。「IDを見せてください」。守衛が、正当な外出手続きを経るべきだということを強調しつつ、そう言ったのをイシザワは思い出す。続けてその守衛は、彼の上司がどこにいるのか