銀行総合職一期生、外交官配偶者等を経て大学の法学教員(ニューヨーク州弁護士でもある)に。古都の暮らしをエンジョイ中。 という読点の打ち方に特徴のある書き出しで始まる三島の『金閣寺』を初めて中二の冬に読んだとき、私は衝撃を受け、以来30年以上三島中毒なのだが、そのために京都はずっと私の憧れの町だった。 中学の修学旅行で初めて本物の金閣寺を見たときの感激は今でも忘れられない。 高校の修学旅行でも訪れ、高校の卒業旅行でも、社会人になってからも幾度となく京都を訪れてきた。 はじめに就職した信託銀行は大阪に本店があったので、出張で度々大阪に行き、週末にかかる場合は必ず京都に寄ってくるほどだった。 神社仏閣は、いくら訪ねても非公開文化遺産を見終わることはないし、季節季節で違う顔を見せてくれ、尽きせぬ魅力がある。 初めてこの小説を読んだときは、30余年後、金閣寺からさほど離れていない大學に勤める運命が自