アメリカ合衆国北東部の8大学に学ぶアイビーリーガーが好んで着用したアイビージャケットのディテールでも有名なのが3つボタン段返り。一番上のボタンは実質的に飾りとなっているが、なぜ、そんな非実用的なものが伝統となったのだろうか不思議に思われている方も多いと思います。 そのルーツをたどってみました。 20世紀初頭から1960年代にかけて、歴史が浅く伝統のない米国からすれば、欧州は依然として文化先進国でありエレガンスの本場でした。 米国では当時、富裕層あるいはエグゼクティブ階層は、ロンドンやパリ仕立ての【ウェストがくびれ、縦縞であか抜けた】コンチネンタルスタイルスーツを身にまとい、冬は上質なカシミヤやウールのチェスターコートをまとうのが常でした。 そのような成金趣味に反発し、新しい国米国ならではの、こざっぱりしたスポーティなスタイルを、勇気を持って着こなしたのが、自他共に将来のエリートと認められた