米国の量的緩和第2弾(QE2)がまもなく終わろうとしている。QE2は、米国経済にどのような効果をもたらしのだろうか。 筆者は、少なくとも米国経済の回復に、大きく貢献したと考えている。量的緩和(通貨量の増大)は、まずドル安と金利の低下を導いた。その後若干のタイムラグの後、デフレ回避、株価反転上昇、景気回復が実現している。以下、それぞれをデータによって確認する。 量的緩和がドル安と金利低下を導いた まず通貨量の増大と為替レートの低下(ドル安)との関係を見る。為替レートに影響を与える要因は多数ある。「通貨量」は重要なものの一つである。需要と供給の基本的な関係として“量”が増加すれば“価格”は低下する。豊作の時、穀物価格が下落するのと同様に、通貨量が増えれば、為替レート(通貨価値)は低下する。 ここでは「ベースマネー(Base Money)」を通貨量のモノサシ用いる。日本銀行など中央銀行が発行する