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  • 良いところも悪いところもあった映画『トラペジウム』 - シロクマの屑籠

    ※この文章は映画『トラペジウム』のネタバレを平然と含んでいます。心配な人はブラウザバックしてください※ 『トラペジウム』、褒めてる人もみんな微妙に褒め方違うし、違うのにみんな凄く思い入れと自信があるし、なんか感想がだんだん自分語りっぽくなっちゃうし(オレも実際そうだった)、なんかこう「ロールシャッハテスト映画」なんじゃねぇかなぁ、という気がするんですよね……— 前島賢(大樹連司) (@MAEZIMAS) 2024年6月10日 前島賢さんがおっしゃるには、映画『トラペジウム』はロールシャッハテストであるという。実際、X(旧twitter)では色々なオタクの人がこの作品について色んなことを言っているのを目にした。そこで私も観に行ってみることにした。噂にたがわず、お客さんは少なかった。 「アイドルを目指す主人公が、東西南北(仮)という四人組をつくってアイドルを目指す作品、今流行のギスギスシーン有

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  • 「ひきこもり」は現在も増え続けているのか? - シロクマの屑籠

    最近、忙しくてブログがなかなか書けないなか、面白そうな話題がTLを駆け抜けていった。togetterに、それがまとめられている。 togetter.com 「昔の方が暴力が横溢していたのに、なぜ今になって不登校やひきこもりが増えているのか」について、いろんな人がいろんな意見を述べている。不登校、というのも意外に新しい概念で、昔は登校拒否という言葉が使われていて、それ以前には、農業手伝いなどの理由で親が子どもに学校に通わせない、なんてこともあった。昭和の終わりになっても、田植えや稲刈りの時期になると学校を抜けて家業を手伝うクラスメートがいたものである。もちろん、今日の不登校においては農業手伝いのために学校に行かない・行けないという事情は滅多になくなっているだろうけれども。 で、不登校については、増加し続けている。少しネット検索してもらえれば右肩上がりのグラフにいくらでも出会うはずだ。コロナ禍

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  • 電信は令和のインターネットに届かなかった──『ヴィクトリア朝時代のインターネット』を読む - シロクマの屑籠

    ヴィクトリア朝時代のインターネット (ハヤカワ文庫NF) 作者:トム スタンデージ早川書房Amazon 前々から読みたかった『ヴィクトリア朝時代のインターネット』を購入して、最優先で読んだ。電信というひとつのテクノロジーの栄枯盛衰を描いたノンフィクションとして、とても面白く勉強になった。 このの概要については、基読書さんがわかりやすいレビューを書いてらっしゃるので、そちらをどうぞ。 huyukiitoichi.hatenadiary.jp 『ヴィクトリア朝時代のインターネット』では、電信技術が誕生する前に「腕木通信」という手旗信号的なテクノロジーを用いた情報網が築かれた話、モールスらが電信技術をつくりあげていく話、その電信が普及段階を迎えて商業に利用され、政治や軍事にも利用される話、それが大英帝国の世界支配を支えていく話などが記されている。 が、やがて電話(など)が登場して、電信という

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  • 年を取って、不健康な食事でターボがかかるようになってしまった - シロクマの屑籠

    「年を取るにつれて、自分の健康を気にかけるようになる」、とよく言われる。実際、20~30代の頃には健康だった人が、40~50代と年を取るにつれて高血圧や高コレステロール血症と診断されてにわかに健康リスクを気にしはじめるのはあるあるだし、「改心」してフィットネスジムに通って質素な生活を心がける人も多い。 でも、この年になってきて逆に思うこともある。今、この瞬間だけ自分自身をブーストしたいと思った時、つい不健康な事をとりたくなってしまいませんか? 不健康をおして血圧をあげたい・血糖値をあげたいと思う瞬間があったりしないだろうか。 私自身の身体の挙動を振り返る。 若かった頃よりも血糖値や血圧に「あそび」がなくなっているのか、血糖値をあげてしまいそうなものをべると、パワーアップするように感じる。長時間のデスクワークにも弱くなり、夜まで続けていると頭が痛くなったり血圧が高くなったりしてしまう。

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  • 取引みたいなコミュニケーションは、誰にとって都合良いのか - シロクマの屑籠

    今、研修医時代ぐらい忙しくて生きた心地がしない&働きすぎで急速に老け込みそうだと感じていますが、そうしたなか、書評のお仕事をいただきました&こなしました。 gendai.media 書評させていただいた作品は村雲菜月さんの『コレクターズ・ハイ』。上掲リンク先にも書いたように、コレクション大好き系のオタクの物語だと決めてかかると足元をすくわれる思いがするかもしれません。 コレクターズ・ハイ 作者:村雲菜月講談社Amazon 作品にどのようなメッセージが含まれているのか。これは読み手次第でしょうけど、私には、以下のポイントが刺さりました。 1.たとえばキャラクターグッズをコレクションしている時、私たちはどこまで癒されていて、どこまで行動嗜癖的に病んでいるのか 2.資主義の商品を作ったり、資主義の商品そのものになったりして疲れ、傷ついている私たちが、それを癒す際にも資主義の商品に依存し、と

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  • その支援はインクルージョンか、分離や排除や透明化か? - シロクマの屑籠

    president.jp リンク先の文章は、前半はほぼ拙著『人間はどこまで家畜か』からの抜き出しで、とにかくも社会や環境が進歩した結果として精神医療のニーズは高まっていて、たとえばSSRIのようなセロトニンを補う薬が必要とさいれたり、ASDADHDといった神経発達症の人に治療なり支援なりが必要な時代になっているよね、と書いた。 いっぽう後半パートは拙著からの抜き出しではまとめきれず、記事におさまるよう書き直した。ここは当はもっと長い文章にしたかったところで、拙著では編集者さんにお願いして7頁を割いて論じている。それでもまだ、もっと調べてみたい気持ちは残っているし、医療現場と世間のギャップを思い浮かべると、いろんなことを考えずにはいられなくなる。 「それって当にインクルーシブなんですか」という疑問 この文章では、「その支援って当にインクルーシブなんですか?」という問題意識をとりあげて

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  • 初代ファイナルファンタジーの思い出 - シロクマの屑籠

    news.denfaminicogamer.jp リンク先は、ファミ通のサイトにアップロードされた、初代『ファイナルファンタジー』(ピクセルリマスター版)の記事だ。タイトルに"実はSFだった(?)"的なことが書かれているためか、はてなブックマークには賛否さまざまな声があがっていた。 私はどこまでSFでどこからがファンタジーなのか、定義づけには興味がない。ただ、1987年に実際にファイナルファンタジーをとおして体験したのは純ファンタジー風の体験からそうではない体験に変わっていくもの、少なくとも『ドラゴンクエスト』や『ハイドライド』や『ザナドゥ』とはちょっと違った趣向だった。 これも機縁、楽しくてしようがなかった初代ファミコン版『ファイナルファンタジー』の楽しかったところを書き残してみる。 思い出話の前に:『ファイナルファンタジー』が発売された頃の時系列 ファミコン版『ファイナルファンタジー』

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  • 限界編集者さんと過ごした日々 - シロクマの屑籠

    これから、ある編集者さんとづくりをしていた頃のことを書いてみる*1。あらかじめ断っておくと、これは私個人の感想であって客観的な論述ではない。すべての編集者さんがそうだとも、そうであるべきだとも思えない。ただ、私はその編集者さんに引っ張られて、感化されて、凄い経験をさせていただいた。そのことを文章化したものだ。 「限界さん」という編集者 これまで私はさまざまな出版社の編集者さんとや記事を作ってきたが、編集者という職業のイメージが今でも掴みきれていない。彼らは個性的で、それぞれのポリシーや性質に基づいた、それぞれの仕事の進め方を確立している。 これから話す編集者さんのことは、旧twitter(現X)にならって「限界さん」と呼んでおこう。 限界さんはとある出版社に勤務し、たくさんの出版物を手掛けている。著者としての私から見た編集者さんは、複数の著者を相手取って同時進行に仕事をしているから、顔

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  • 40代の終わりに、年の取り方について私が考えていること - シロクマの屑籠

    残り時間がどれぐらいかわからないなかで、どう日々を過ごし、年を取っていくか。 1975年生まれの私は、今、40代最後の時間を過ごしている。40代のはじめのうちは、中年になったことの驚きがあり、そこに今までに無い面白さを見出していた。その驚きと面白さを言語化したのが『「若者」をやめて、「大人」を始める 「成熟困難時代」をどう生きるか?』だったが、5年以上の歳月が流れ、当時の驚きと面白さは過去のものになった。老年期が始まった時に再び面白さと驚きを発見するかもしれないが、現在の私は中年期のたぶん真ん中にいて、とにかく中年をやっている。 そうしたなか、40代最後の時間を全力で駆け抜けてきた。寿命が縮むような橋も渡ってしまっただろう。そのかわり自分がやりたいことをやりたいように・悔いの残らないように挑戦できたのはとても良かったと思う。 年を取っていくスタンスには大きな個人差があり、年齢の数字にこだわ

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  • 現代人は本当に思想に飼われている - シロクマの屑籠

    president.jp リンク先の文章は、拙著『人間はどこまで家畜か』を一部引用しつつ、ひとまとまりの読み物として再編成しプレジデントオンラインさんに載せていただいたものだ。私たちは資主義にいいように飼い馴らされ、その資主義をますます充実させるための資の乗り物、それか家畜として使役されちゃっていませんか? といった話が中心になっている。 だが、現代人のマインドに根を下ろし、現代人をいいように飼い馴らし、現代人を動機づけている思想は資主義だけでもあるまい。 ぜんぶ挙げようとするときりがないが、『人間はどこまで家畜か』では、現代人を飼い馴らす思想として、資主義に加えて個人主義と社会契約、それから功利主義を挙げている。思想などという実体のないものに何ほどの力があるのか? と疑う人もいらっしゃるだろうし、そうした思想をつくりだしたホッブズやルソーやベンサムといった思想家の重要性は実感し

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  • 私たちは、自己家畜化をこえて"社畜"になる - シロクマの屑籠

    p-shirokuma.hatenadiary.com 続き。 いつの世にも苦しみや悩みはあるし、その社会・その時代に最適な人もそうでない人もいるでしょう。アフリカの狩猟採集社会に最適な人と、幕末の日の農村に最適な人と、2024年の東京に最適な人はそれぞれ違っています。 ただ、精神医療の受診者の右肩上がりな増加が現代特有の生きづらさをなにかしら映し出しているとみるのは、それほど見当違いではないのではないでしょうか。 近代以前の社会にも、それぞれの時代の生きづらさがあり、適応するための課題があり、落伍者がいました。と同時に、その時代ならではの生きやすさがあり、その時代だからこそ活躍できた人もいたでしょう。逆に、いつの時代でも落伍しやすく、不幸になりやすい人もいたかもしれません。 対して、今日の先進国では医療や福祉が行き届き、人権思想も浸透しているため、近代以前の生きづらさ、特に生存の難しさ

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  • 『「推し」で心はみたされる?』についてのアジコさんへの手紙 - シロクマの屑籠

    orangestar2.hatenadiary.com アジコさんこんにちは。 このたびは『「推し」で心はみたされる?~21世紀の心理的充足のトレンド』をお読みいただき、ありがとうございました。 ブログの文章、拝見しました。 読み、アジコさんが慣れ親しんでいる「推し」や「推し活」のニュアンスと私が想定する「推し」や「推し活」のニュアンスの違いなど、色々なことがわかって大変面白かったです。そうした相違は私とアジコさんの間にある、人間や社会を見つめる視線の違い・価値観の違い・人生観の違いを反映しているものかもしれません。その違いを噛みしめながらも、共通する考えもあると感じました。 アジコさんのおっしゃる「ハレのものとしての推し」と「ケーキのようなものとしての推し」 アジコさんの「推し」のなかで重要で、それ自体、キー概念になっていて面白いと思ったのは「ハレのものとしての推し」と「ケーキのようなも

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  • あのとき推していた人は、今もここで生きている - シロクマの屑籠

    ここから書くことは『「推し」で心はみたされる?~21世紀の心理的充足のトレンド』よりも未来の出来事、「推し」の最盛期から時間が流れた後のことや、「推し」に相当する人と別れた後についてです。 先日、拙著について相次いで感想をいただきました。ありがとうございます。まずは、大橋彩香さんを推してらっしゃる soitanさんの感想です。 【感想】「推し」で心はみたされる? 21世紀の心理的充足のトレンド - Soitan’s life そのなかに、私が過去に書いた惣流アスカラングレーの文章や「推しを自分の心の神棚に祀って社会適応する」文章について書かれていて、懐かしく思いました。 私が一番キャラクターを「推し」ていたのは、いえ失礼、一番キャラクターに「萌え」ていたのは20~30代の頃でした。惣流アスカラングレーとその眷属(と私が呼んでいる共通点のあるキャラクターたち)を私は好いていただけでなく、人生

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  • 高度な社会の一員になれていますか。これからもなれますか - シロクマの屑籠

    「高度な社会は、それにふさわしい高度な人間を要請する」。 それが言い過ぎだとしたら、「高度な社会に適応するためには相応の能力や特性が求められ、足りなければ支援や治療の対象になる」と言い直すべきでしょうか。 少し前に「SNS上では境界知能という言葉が悪口的に用いられている」といった話が盛り上がったようですね。 president.jp リンク先で述べられているように、知能指数はその人の生きづらさを探る手がかりとして用いられるもので、そうして算出された境界知能も、支援の見立てに用いるための語彙なのでしょう。そしてリンク先では、境界知能という言葉を時代遅れにする動向にも触れられています。どんな言葉にも全人的な否定のニュアンスをとりつけたがりなインターネット民の挙動を見ていると、境界知能という語彙を消すべきだとする人々の考えにも同意したくなります。 そうした語彙の汚染問題はさておき、境界知能や知的

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  • 教養としての『ダンジョンズアンドドラゴンズ(D&D)』 - シロクマの屑籠

    はじめに ダンジョン飯 1巻 (HARTA COMIX) 作者:九井 諒子KADOKAWAAmazon アニメ『ダンジョン飯』が人気ですね。 ダンジョンで飯をうという非常識がグルメにもギャグにもなっていて、いちおうシリアスな話も進行していく『ダンジョン飯』。今日のお題は、そのインスパイア元っぽいRPG『ウィザードリィ』のさらにご先祖様の『ダンジョンズアンドドラゴンズ』(以下『D&D』と表記)です。 今、『D&D』の雰囲気をいちばん簡単・忠実に味わえる作品といえば『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』でしょうか。 ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り 4K Ultra HD+ブルーレイ[4K ULTRA HD + Blu-ray] クリス・パインAmazon 『アウトローたちの誇り』は、種族も性格も技能も違うキャラクターたちが喧嘩したり協力しながら旅を続ける物語ですが

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  • 反出生主義という人類滅亡のミーム - シロクマの屑籠

    ※この文章は、黄金頭さんへの返信のかたちをとった、私なりの反出生主義についての考えをまとめた文章です※ blog.tinect.jp こんにちは黄金頭さん、p_shirokumaです。拙著『人間はどこまで家畜か: 現代人の精神構造 (ハヤカワ新書)』をお読みくださり、ありがとうございました。今回私は、どうしてもこのを読んでもらいたいブロガーさん数名におそれながら献させていただきました。受け取ってくださったうえ、ご見解まで書いてくださり大変うれしかったです。 『人間はどこまで家畜か』を黄金頭さんに献したかった理由は2つあります。 ひとつは、黄金頭さんが書いたこのブログ記事のおかげで『リベラル優生主義と正義』に出会えたからです。 リベラル優生主義と正義 作者:桜井 徹ナカニシヤ出版Amazon 今は8000円台で推移していますが、一時期、このには30000円ぐらいのプレミアがついていま

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  • 走馬灯か、記念碑か──『16bitセンセーション』 - シロクマの屑籠

    16bitセンセーション ANOTHER LAYER 1(完全生産限定版) [Blu-ray] 古賀 葵Amazon 2023年の10月から12月にかけて、気が遠くなるようなアニメを観た。『16bitセンセーション』だ。この作品は「女の子がたくさん出てくるゲーム」の制作に主人公たちが奮闘する物語だが、もともと、作品として登場するゲームの多くは90年代~00年代初頭にかけて特にプレゼンスの高まった「エロゲー」で、その幾つかはビジュアルノベル形式を基に据えた作品たちだった。 一応、『16bitセンセーション』のあらましを紹介してみる。 作品はもともと二次創作作品だったものが、同時代のエロゲー制作にかかわった色々な人やスタッフが関わって作った作品で、主人公・コノハが現在~過去のエロゲー制作にかかわっていくストーリーとなっている。制作には当時活躍したエロゲーブランド「Leaf」のアクアプラスの

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  • 「後藤ひとりと喜多郁代はよくできたナルシスト」って説明した時の話 - シロクマの屑籠

    昔、ある編集者さんと「いいね」や「推し」について喋っていた時に、「『いいね』も『推し』も有害なんじゃないですか?」といった質問をいただいたことがありました。 「そんなことはありません。有害になってしまう人もいるけど、ほとんど無害な人もいるし、有益になっている人もいますよ」と私は答えました。なるほど、『いいね』や承認欲求のために迷惑なことをする人もいるし、金銭的・社会的に破綻するような推し活しかできない人もいます。でも、そんな人は少数派でしかなく、世の中にはそれらを飛躍の原動力にしている人だっています。 このことを編集者さんにわかりやすく説明をしなければなりません。そのとき、私の脳裏に『ぼっち・ざ・ろっく!』の結束バンドの四人組、なかでも後藤ひとり(通称・ぼっちちゃん)と喜多郁代(通称・喜多ちゃん)が脳裏に浮かびました。 青春コンプレックス(初回仕様限定盤) アーティスト:結束バンドアニプレ

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  • 私にとって、オタクやキャラクター消費の話は社会の話なんです - シロクマの屑籠

    cider_kondoのブックマーク / 2024年1月23日 - はてなブックマーク シロクマ先生、今ホッテントリってる意地悪婆さん話もそうだけど、こういう業と社会の変化踏まえた考察の方が(よく書いてる迷走してるオタク論みたいなのより)圧倒的に面白いよな… こんにちは、はてなブックマークユーザーのcider_kondoさん。熊代です。先日のブログ記事に上掲コメントをくださりありがとうございました。これに関して、cider_kondoさん個人に返信したいと思います。 長く相互認識している人でなければ返信は難しい 少しだけ前置きを。 私は現在、ブログ側からはてなブックマークに返信するのは難しい、と感じています。00年代の頃は見知らぬはてなブックマークユーザーに返信するのも気軽で、ブロガーがそうしている様子をしばしば見かけたものです。しかしはてなブックマークを中心としたコミュニティが希薄化し

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  • 『人間はどこまで家畜か:現代人の精神構造』が出版されます - シロクマの屑籠

    人間はどこまで家畜か: 現代人の精神構造 (ハヤカワ新書) 作者:熊代 亨早川書房Amazon 先日、大和書房さんから『「推し」で心はみたされる? 21世紀の心理的充足のトレンド』が発売されたばかりですが、今度は早川書房さんから『 人間はどこまで家畜か: 現代人の精神構造 (ハヤカワ新書)』という書籍を発売していただくことになりました。 私がつくる書籍には2つのタイプがあって、ひとつは、現代人が心理的にも社会的にもうまく適応していくためのメソッドに重心を置いたもので、1月に発売された『「推し」で心はみたされる?』はその典型です。もうひとつは、現代社会という巨大なシステムがどんな構造や歴史的経緯から成り立っていて、私たちにどんな課題が課せられ、どういった現代特有の生きづらさを生み出しているのかを考えるタイプの書籍で、2月21日発売予定の『人間はどこまで家畜か』は後者のタイプにあたります。 同

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