ネット販売などに押されて大型書店の閉店が相次ぐ一方、「独立系書店」と呼ばれる店主の個性が際立つ小規模型書店の開業が今秋、静岡県東部で相次いでいる。立ち飲み屋やギャラリーなどを併設し、地域の交流拠点として存在感を示し始めている。 沼津市下本町では9月初旬、会社員江本典隆さん(45)が「リバーブックス」を開店した。江本さんは昨冬、空きビル活用を通じて街の活性化を促す人材を育成する市の担い手育成業務委託事業の一環で、事業開発スクールに参加。発表した事業計画が最優秀賞に輝き、20年以上空き物件だった元洋裁店を自ら改装した。 営業時間は週末と金曜夜。棚には写真集や画集、暮らしや料理、建築、文化など江本さんの選書眼が光る書籍が並ぶ。奥にはギャラリーを備え、窓際では不定期で沼津クラフトのビールを販売。飲食の間借り営業スペースとしても貸し出す予定だ。江本さんは「沼津は文学館が多い町なのに書店が減っている。