国内の風力発電機メーカーは、三菱重工業と日本製鋼所が事実上生産から手を引いている。日立の撤退で、風力発電機を生産する国内企業はなくなる。日立は英原発計画も凍結しており、エネルギー事業の再構築を急ぐ。 日立は2012年に富士重工業(現SUBARU)から風力発電機事業を買収、主に陸上に設置する出力2000kWと、洋上向けの5000kWの2種類の風力発電機を開発・生産している。地面から吹き上がる風を効率よく受けて回る「ダウンウインド型」と呼ぶ独自技術に強みを持つ。山の多い日本の地形に向いているため、新規設置の国内シェア(台数ベース)は2016年度に約4割を占めるなど、業界内でも一定の評価を得ていた。 ただ、日本市場は、世界に比べて圧倒的に小さい。2017年に世界で稼働を始めた風力発電所の出力は計5250万kW だったのに対し、日本はたったの16万2000kW。18年も19万2000kWにとどまる