スタハーノフはソ連の炭鉱労働者で、実在した人物である*1。彼は優れた技能でノルマの3,4倍の仕事をこなした。ソ連政府は彼を模範的労働者として称え、全ての労働者は彼を見習うべきだと宣伝した。スタハーノフ運動とは、1930年代に彼の名を冠して行われた一大労働強化キャンペーンのことである。当時のソ連は工業化を目指していたが、近代化が遅れていたロシア帝国の地盤を引き継いだソ連もまた、設定した目標に現実の経済成長が追いつかなかった。それを労働者により多くの負担をかけることで実現しようとしたのがスタハーノフ運動であった。似たような労働強化キャンペーンは休日返上で働くなどの形でそれまでも行われていた。ソ連はもう滅んだのだが、どういうわけか我が国にはスタハーノフ運動が生き残っている。長時間の残業を強いられる人。そればかりかサービス残業を強いられる人。サービス残業をしないと査定が下がる事実。福祉予算を抑制し