国内で出版されている新刊書籍は、年間7万点余りに上る。一方、各社の電子書籍は数万点の品揃えしかない。市場はまだ未成熟だ。だが、米国の一部では、電子版が紙を上回る売り上げを記録している。激変は目の前に迫っている──。 -------------- いつになれば電子書籍は「普及」するのか──。この数年、たびたび「元年」だといわれてきたが、ようやく本当の「元年」が迎えられそうだ。大きな動きは「黒船襲来」である。 電子書籍を読むには、キーボードは邪魔だ。閲覧には、板型のタブレット端末が適している。その代表が「黒船」の一つであるアップルの「iPad」。大手調査会社のIDCによると世界シェア約6割という圧倒的な存在だ。3月16日には第3世代となる新型が発売となり、大きな話題を集めた。外観は旧世代と同じだが、電子書籍の今後に大きな影響を及ぼす「進化」があった。解像度の大幅な向上である。 パソコン