劇場版「SHIROBAKO」にて、色指定・検査の新川さんのこんな台詞がある。 「テレビは色補正が入っちゃうけど、劇場は色で勝負ができるよね」 劇場版「SHIROBAKO」 この後特に詳しい説明もなく、数秒でさらっと流されてしまうセリフではあるのだが、個人的には結構面白いと感じたので、これの意図について考察してみる。 色域と色深度について 例のセリフは恐らく色域と色深度のことを言っているのだと思われるため、まずはそれらについて解説する。 色域とは使える色の範囲のことであり、どこまで強い赤・緑・青(光の三原色)を出すことができるか、その組み合わせでどれだけ豊かな色を出せるかである。 色域は以下のような図で表現される。 この図において、∩型の色がついた部分が人間の目が捉えることができるとされる色の範囲を表し、三角で囲まれた色の範囲が色域の規格を表す。ここでややこしいのが、色域が広くなっただけでは