コラム 税・社会保障改革 連載コラム「税の交差点」第22回:税収の落ち込みは財政構造の変調を物語っている July 24, 2017 税 税の交差点 税収は、経済の実際の姿を見る「鏡」である。GDPが、様々な統計からの推計によるものであるのに対して、いくら国家に税金が入ってきたかという情報は、われわれの経済活動の姿を直接反映しているといえよう。 そういう目で平成28年度(2016年度)税収決算額を見ると、前年度決算割れとなっている。つまり税収が、1年前より落ち込んだということで、これはリーマンショック時以来7年ぶりの出来事である。 図表は、所得税、法人税、消費税の3税の姿である。この3税でわが国税収の8割強を占めているが、すべての税目で、前年度決算額より減少している。その結果、一般会計全体では0.8兆円の減収となっている。 落ち込みの原因については、新聞報道を見ると、一応の理由が解説されて