(前回から読む) 確かに、せんじつめると家族は孤独という現象のパッチではない。まぎらわしいのだが。いや、パッチという役割も持つかもしれないけれども、基本的にそれを選ぶのは、パッチにしたい側ではなく、家族の成員個人にある。 子供を老後のパッチにしたくとも、彼・彼女が、二度と戻ってこないかもしれないけどパタゴニアに行って結婚したいのだが、と言ったらそれは尊重されないといけない。なのでやはり、夫婦の関係をしっかりしておくか、パタゴニアに嫁・婿には行くなと小さい頃から子供に言い聞かせる必要があるのだろうけれども、子供としては「ああこの親はじめっから自分を老後のパッチにしようとしてたんだろうな」と気付いたら、それはまあ調子を合わせてはくれるかもしれないが、なんというか、萎えるのではないだろうか。 はなからパッチ目的で子供を作るのと、無心に子供を育て上げた老後に、なんとなく寂しくなるのとは違う。子供は